日本の食ミュージアム構想。キーワードは、“リセット2020” 【BEYOND 2020 NEXT FORUM 総合セッション】

株式会社USEN Media成内英介代表
日本食のポテンシャルは計り知れない

 トークテーマは、食産業全体にも及んだ。数多くの飲食店やシェフと接してきた成内は「外食産業の人は業界全体が盛り上がることに対して、とてもポジティブ。シェフ自身もSNSで積極的に発信している人が多い」と語り、そうした存在を巻き込みながら、食産業全体での機運醸成が効果的だとした。

 この意見に軽部氏も同意し、美食の街・京都を例に挙げた。「カウンターの割烹では、料理人との呼吸を楽しみ、料亭は、晴れの日に行く舞台演出の要素もある。お客さんは場所によって求めるものが違うんです。料理人やレストランは、そうした求めるものを演出する能力が求められる」と、日本食レストランが持つ演出力も高く評価した。西氏も、「日本のシェフは適応能力の高さやクリエイティビティが高い。新しいものを生み出す力がある」と、そのポテンシャルに期待を寄せた。

 最後は、2020年以降の日本を元気にするために、それぞれがアクション宣言。軽部氏は「サプライズandハピネスな企画を考え続けていきます」と、新たな企画で日本に笑顔を振りまくのが使命だと語った。西氏は「食を生み出す農林水産業、農山漁村、ヒトと協働します」、小笠原氏は「食べまくります。食べさせまくります」と宣言し、国産消費の盛り上げを誓った。

 成内氏は「日本の“料理人”“料理”をMediaで世界に発信していきます」と宣言。新型コロナウイルス感染で厳しい飲食業界の現在にも触れた上で、「事業者側は“リセット2020”だと思う。もう一度盛り上げていく、仕切り直しの時期。食の魅力をもう一度発信して、日本に沢山の人が来てくれる景色を作れたら」と意気込んだ。さまざまなアイデアが生まれた今回のセッション。2020年以降も日本食のポテンシャルはまだまだ計り知れない。
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