新型コロナで「医療的緊急事態宣言」東京都医師会、国に先駆け

「これ以上患者さんが増えてくると医療現場がもたない」と訴える尾﨑会長
 今後、政府からの「緊急事態宣言」の発出によって「感染者の拡大がゆるやかになった期間に、熱や症状がなく退院してもいいような軽症者を中心に宿泊施設に移すことを進め、重症者をしっかり診られる体制を整えていきたい。また現在、院内感染によってもかなりの感染者が出ている状況で、院内感染を何とか防いでいかなければいけない。病院や診療所にいらっしゃる方々が、新型コロナウイルスに感染しているかどうか分からないことがひとつの問題となっており、発熱外来や新型コロナ外来など患者さんを振り分ける体制を作って、病院や診療所の院内感染を防ぐ対策を練ることを柱に動いていきたい」と、重症者への医療の充実や院内感染防止の対策に都民の協力が不可欠だとした。

 尾﨑会長は、ひっ迫した医療体制を「ここ一週間くらい、現場のナースやドクターがかなり疲れている、特に若い先生方のメンタルに負担がきているというお話を複数の病院からいただく状況に変わってきた。その原因として、軽症者を含めた受け入れ可能なベッドの数が埋まっているということと、いつ自分たちが新型コロナウイルスに感染するかということで、慣れている医療者でも疲れてきている」と認め、改めて「一番大事なことは、感染拡大のスピードをゆるめるということ。それがすべての解決につながります。この6週間、ご自分たちで自覚されて、ご自分たちの自立心をもって東京のために頑張って外出しない。不要不急のところは抑え、三密の場所には行かない、これをぜひ守っていただきたい。私ども東京都医師会も、全力で医療体制を構築していきますので、ぜひ都民の皆さんにご協力をお願いしたい」と頭を下げた。 

 東京都医師会が発出した「医療的緊急事態宣言」は以下の通り。

①感染者のさらなる増加を防ぐため、全ての都民に外出自粛を求めます

②入院医療提供体制がひっ迫してきています。特に重症者が充分な医療を受けられるよう、都行政による現場への強力な指示及び施策を求めます

③医療従事者には、かかりつけ医・一般病院・基幹病院などそれぞれの役割を担うとともに、自身の感染予防に努めながら、この緊急事態に応じたさらなる使命(責務)を果たすよう求めます

④地域行政と地区医師会には、それぞれの地域状況に相応した医療体制(発熱外来・新型コロナ外来設置・入院医療機関の確保等)の構築と関連団体(介護・福祉・民間等)との密接な連携を求めます。また、都民の方々にはこうした医療連携体制を承知いただき冷静な受療行動をとっていただくよう求めます

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