テレワークには性格的な向き不向きも?「効率的に集中できる」「自分には向いてないかも」
自宅での作業はオンオフの切り替えが難しい(写真はイメージ)
テレワーク・在宅勤務に「自分は向かないかも」
職種や作業内容によって在宅勤務に向く仕事、向かない仕事があるのはもちろんだが、それとは別に、自分自身の向き不向きを感じている人もいるようだ。
小学生の子供を持つ40代の会社員は「裁量労働制につき12時や13時に出社して夜遅くまで仕事をするスタイルだったのですが、テレワークでは10時スタート17時終了という感じ。子供たちと夕方以降の時間をゆっくり過ごすことができるのは良いのですが、早めに仕事を終わらせるため、どうも仕事をやりきった感がない。子供たちもいるリビングで仕事をしているため進み具合も遅い。やはり自分は仕事場と居住環境は分けたほうが良い人間だと思いました」(40代/男性/出版/千葉県在住)。同じく「長時間、働く傾向にあり“監視”がないため生産性が非常に悪く感じました。意外とテレワークでも作業できるかもと思いつつ、自分の集中力のなさに改めて気づきました」(40代/男性/事務所/東京都在住)。
一方で、テレワーク・在宅勤務の利点を強く実感している人も多い。「通勤時間が省ける、無駄な会議がない、自分のペースで仕事ができる。悪い点は何もない。対面でないと無理と思っていたものがすべてテレワークで解決できることに気がついた」(40代/男性/コンサルティング/東京都在住)。「自分の作業に集中できるため、作業時間が短くなる。会社に集まらなくても、すぐにミーティングができるのも良い点。作業効率が上がりました。ただ、どうしても出社しなくてはできない作業があるときは、その作業のためだけに出勤することに不便さを感じてしまいます」(20代/女性/宣伝・広告/千葉県在住)。
自分なりに、在宅作業に集中できる工夫をすることも重要。「面倒だった通勤や仕事相手との雑談等が案外、オンオフの切り替えなど生活のリズムになっていたんだなと思いました。今後しばらくはテレワークが常態化していくでしょうから、こうした、敢えて“息を抜く”部分の工夫をどうすべきかが課題だと思いました」(40代/男性/文筆業/フリーランス/東京都在住)。
在宅での作業のため「スイッチングハブやLANなどの他、座椅子も用意しました。通常より動くことが少なくなるので作業環境(デスクやチェア)などが会社と同じような状態でないと体に疲労がたまりやすい。在宅勤務では、悪く言えば周りの目がない状態のためそのような状況でも普段通りに作業を進める責任感や自制心が他者、自身ともに要求されると思う。職場に行かなかったとしても、職場に出社するときのようなルーティンを行ったほうが作業効率が低下しないことに気づきました」(30代/女性/IT/職位なし/東京)。
在宅であっても、できる限りの成果は出したい。「会社に行かなければできないことももちろんあるが、ネットワーク環境がきちんとあれば必要最低限の仕事はできる」(20代/男性/会社員/マスコミ関係・エンタメ/埼玉県在住)。「出勤時と同様の仕事はできませんが、今回、働き方改革を取り入れようとの試みがテストケースとしてできたと思います。ただ、自宅の環境設備を整えたり、できないことへの許容範囲、お互いのサポートなど、同じ職場内でも業務内容によるテレワーク格差があると思いました」(50代/女性/メーカー/埼玉県在住)。
新型コロナウイルス感染防止に向けたテレワークという、異例の状況下での在宅勤務。課題も多く、常時のテレワークと同様にとらえることはできないが、これを機に働き方の多様性や、自分自身に合った働き方を見直してみるのもいいだろう。