「緊急事態宣言」から2週間、医療現場は今 東京都医師会語る

東京都医師会が制作したキービジュアル ©️蜷川 有紀「Androgynous − いつも一緒に」
 先日発表された「PCRセンター」も大きな話題を呼びました。

角田「国の示したフレームでは、感染の疑いがあれば帰国者・接触者相談センターに連絡し、必要な方には帰国者・接触者外来を紹介するのですが、帰国者・接触者外来は一日に診られる患者さんの数にどうしても限りがあります。ですので、感染の疑いのある方はまず近くのかかりつけ医に電話で相談していただき、必要な際にはかかりつけ医で診察して、新型コロナウイルス感染症の疑いが強い場合は、地域のPCRセンターに連絡のうえPCR検査を受けられるシステムです。

 一部では、誰でもPCR検査ができるという過度な期待もあるようですが、そのような受け皿ではありませんし、やはり重症化した人や必要な人が最優先です。そこをかかりつけ医がしっかり判断して、必要な人をPCRセンターにつなげていきます。PCRセンターでは、新型コロナウイルス感染症の陽性かどうかを検査し、かかりつけ医から結果を電話等で報告します。具体的にいうと杉並区ではすでに設置され、千代田区、渋谷区、新宿区などにも来週には設置される予定です」

 それぞれの取り組みで、医療的な負担は今後どう変化するのでしょうか。

角田「宿泊療養は、高次の医療機関で治療しなければいけない人のベッドを確保する意味で極めて有効です。軽症や無症状の方をここでなるべく収容して、入院の負担を減らします。今後、新規感染者の自宅療養が視野に入ってきた場合、きちんと経過観察して重症者を見極めるリスクと義務はありますが、ここまで感染者数が増えてくるとやらざるを得ないと思います。また、PCRセンターでは検査の流れに保健所を介していませんから、現在電話相談や陽性者の積極的疫学調査、経過観察などでパンク気味の保健所の負担も減らせます。もちろん、重症化した際の入院調整は保健所が行います」

 改めて都民の皆さんにメッセージをお願いします。

角田「『緊急事態宣言』から2週間、今日あたりから効果が出てくると思います。まず新規感染者数が少なくなり、次に重症化する患者さんが少なくなって、やっと医療現場の緩和につながります。東京都は国よりも少し前から外出自粛を続けており、疲れたという声もあるでしょうが、ぜひ若い人にはもう2週間、自粛スタートから6週間はしっかり自粛していただきたいです。また、周囲に新型コロナウイルス感染症の人が増えています。自分も含めて周囲の人が感染しているかもしれません。どうしても外出しなければいけない時には、ぜひマスクの着用と手洗いを徹底してください。最後に、Stay home、Stay positive、Stay active! 大変な状況ではありますが、前向きにお願いします」
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