「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜に入港。なぜあのような対応になったのか…【ニュースで見る新型コロナウイルス】

早くから新型コロナウイルスに警鐘を鳴らしていた中国の医師・李文亮氏が死去(写真:AP/アフロ)

◆2月6日 安倍首相が東京オリパラ開催への影響は生じていないとの認識示す


「ダイヤモンド・プリンセス」で、新たに50~70代の男女10人の乗客の感染が発覚。船内での感染者は計20人、国内での感染確認は計45人に増える。10人中、60代女性と70代男性、70代女性2人の計4人が日本国籍。残りは米国、カナダ各2人、ニュージーランド、台湾各1人。

 政府は6日夜、中国湖北省武漢市から邦人を帰国させるチャーター機第4便を派遣。またチャーター機で帰国した邦人ら感染が疑われる人の健康状態の経過観察期間をWHOがウイルスの感染から発症までの潜伏期間を改定したことを踏まえ12.5日間に再度見直すことを発表。4日に10日間に短縮すると発表したばかりだった。

 安倍晋三首相は衆院本会議で新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、夏の東京五輪・パラリンピック開催への影響は生じていないとの認識示す。「世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言を受け、大会組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)の間で、東京開催の可否に関わる協議や検討は一切行われていない」と述べる。

 全日空と日本航空が中国路線の減便や運休を拡大すると発表。両社ともに17日以降、日本と中国本土を結ぶ便は半分程度になる見通し。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会が対策本部を4日付で設立したことを明らかにする。対策本部は武藤敏郎事務総長を本部長とし、全ての副事務総長や局長らで構成。4日の初会合では、現状把握とともに同様の対策本部を立ち上げた国や東京都などと連携して適切に対応していくことを確認した。

 東京マラソン財団は東京マラソン(3月1日)に参加しなかった中国在住ランナーには来年大会の出場権を与えると発表。

 中国の感染者は6日までに中国本土で2万8018人。うち死者は563人。

◆2月7日


「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに20~80代の乗客41人の感染が判明。熱などの症状がある人や濃厚接触者など計273人から採取した検体のウイルス検査が全て終了。船内での感染者は計61人。国内での感染確認は計86人に一気に拡大。新たに感染が判明した41人のうち日本人は21人。他は米国8人、オーストラリア5人、カナダ5人、英国1人、アルゼンチン1人。年代別では20~40代3人、50代3人、60代8人、70代21人、80代6人。

 7日午前に武漢市など中国湖北省に滞在する邦人ら198人を乗せたチャーター機の第4便が羽田空港に到着。搭乗者は日本人118人と、家族の中国人78人、台湾人2人。

 小池百合子知事は東京マラソンについて、中国人の参加自粛を要請する方針を明かす。

「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた米国籍の女性(83)が体調不良を訴え、心不全の疑いで横浜市内の病院に搬送される。

 中国の感染者は7日午前0時(日本時間同1時)時点で中国本土で3万1161人。うち死者は636人。

 中国で早期にインターネット上で警鐘を鳴らしていた湖北省武漢市の眼科医・李文亮氏が新型肺炎により死去。33歳。昨年12月に原因不明の肺炎への警戒を呼び掛けたことで「デマを流した」として処分を受けていた。李氏は、処分後も病院で治療にあたったが、せきや発熱といった症状がみられるようになり、1月中旬に入院。2月7日未明、勤務先の病院が李氏が同日亡くなったと明かした。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、米国ではインフルエンザが流行。患者数が2200万人に。インフルエンザで21万人が入院し、死者数は1万2000人。小児の死者数は78人となった。

◆2月8日 日本初の感染者が退院していたことが分かる


「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに乗客3人の感染が判明。船内での感染確認は計64人となる。厚生労働省は7日までに61人の感染を確認したとしていたが、病気などを理由に下船したり新たに濃厚接触者であることが分かった計6人を追加検査し、米国籍の70代男性と60代の女性、中国籍の30代女性の3人の感染が新たに判明した。厚労省は7日には船内で感染が疑われる273人の検査を「全て終えた」としていたが、8日になり、6人の追加検査で乗客3人の感染が判明したと修正。本来は当初の検査で対象となるべき人が見落とされたケースも含まれていた。

 武漢市からチャーター機の第4便で帰国した20代の日本人男性が新型コロナウイルスに感染していたことが判明。国内での感染確認は、クルーズ船の64人を含め計90人に。

 奈良県が日本人で初めて新型コロナウイルスへの感染が確認された同県内の60代のバス運転手の男性がすでに治療が終了して退院したことを発表。

 新型コロナウイルスの感染による肺炎が疑われた中国湖北省武漢市の60代の邦人男性が死亡。入院先の医療機関は新型コロナウイルスの感染かについて確定的な判断をしておらず、死因は「ウイルス性肺炎」と通知されたという。男性は武漢市に滞在していた1月16日に発熱し、22日から入院した。男性は複数のウイルスに感染しており、どのウイルスが症状を悪化させたのかは不明ということに。

 在中国米大使館は、新型コロナウイルスに感染し、武漢市の病院に入院していた米国人の60歳女性が死亡したと明らかにした。

 中国の感染者は8日までに中国本土で3万4546人。うち死者は722人。

 WHOがマスクや手袋などの防護用品が世界的に不足していると警告。防護用品の需要が通常時の最大100倍、価格が同20倍になっているという。WHOは、医療関係者に十分にいき渡っていないことに危機感を示し、転売目的のための買い占めなどを自重するよう求める。

◆2月9日


「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに6人の感染が確認され、感染者は計70人に。

 香港に5日入港したクルーズ船「ワールド・ドリーム」で行われていた新型コロナウイルスに関する検疫作業が終了。日本人を含む乗客乗員約3600人が下船。感染者は確認されず。

◆2月10日


「ダイヤモンド・プリンセス」での新型コロナウイルス集団感染で新たに検査結果が判明した103人のうち65人の感染が確認され、検査した延べ439人のうち135人の感染が判明。武漢市から帰国した邦人らを合わせると、国内で報告された感染者は161人に。

 日産自動車が九州にある完成車工場の稼働を計2日間停止して減産すると発表。中国からの部品供給が滞っているため。

 ソニーが2月下旬にスペイン・バルセロナで開かれる世界最大級の携帯端末見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」への出展を中止すると発表。

 中国の感染者は10日までに中国本土で4万171人。うち死者は908人。

 WHOが新型コロナウイルスによる肺炎の治療法やワクチンについて話し合う11~12日の専門家会合への台湾の参加を認める方針を決める。

 日本フェンシング協会が3月20~22日に中国の成都で開催予定だった女子エペのW杯がウズベキスタンのタシケントに変更になったことを明らかにする。

 米女子プロゴルフ協会(LPGA)がホンダLPGA(20日開幕、タイ)とHSBC女子世界選手権(27日開幕、シンガポール)を中止すると発表。
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