2月27日に突如、安倍首相が全国すべての小中高校などの休校を要請【ニュースで見る新型コロナウイルス】
2月下旬になると政府が大人数が集まるイベントの自粛を要請。これを受けプロ野球のオープン戦が無観客で実施されるなどスポーツ界にも大きな影響が現れ始める。そんななか、安倍首相が2月27日の木曜日に突如、週明けからの小中高校などの休校を要請。共働きやシングルの家庭で「こんなに急では仕事を休めない」などと日本中が混乱した。今回は2月下旬の新型コロナウイルスに関するニュースを追う。
ベネチアのカーニバルが新型ウイルスの影響で前倒しで終了した(写真:ロイター/アフロ)
◆2月21日 韓国でも感染者が激増。中国に次ぐ感染者数
埼玉県で未就学の男児の感染を確認。国内で未就学児の感染確認は初めて。既に感染が判明している40代の父親とともに、武漢市からのチャーター機で1月30日に帰国し、自宅に戻っていた。北海道では、10歳未満と10代の小学生の兄弟と、新千歳空港の検疫官の40代女性の計3人が感染。東京都では女性3人が感染し、うち50代のパート職員が重症。千葉県1人、石川県1人、横浜市1人、相模原市2人、名古屋市2人、熊本市1人―の感染も判明。
国内の感染者は「ダイヤモンド・プリンセス」の634人を含め計743人。
ダイヤモンド・プリンセス号ではウイルス検査で陰性が確認された乗客ら253人が下船。19日からの3日間で計970人が下船した。加藤勝信厚生労働相は「一つの区切りといえる」と述べた。
東京都は新型コロナウイルス対策会議で、感染拡大防止策として都主催のイベントのうち、屋内での大規模なものや食事を提供するものは3月15日までの3週間、原則中止か延期とする方針を示す。500人以上の参加者が見込まれる場合を大規模と位置付けた。
韓国では新たに100人の感染を確認。計204人に。韓国は、クルーズ船での感染を除くと日本を超え、中国に次いで最も感染者の多い国となる。韓国政府は感染者の発生が集中している南東部の大邱と慶尚北道清道地域を感染症の「特別管理地域」に指定した。新たな感染者は新興宗教団体「新天地イエス教会」の大邱の教会に通う信者や清道の病院関係者に集中している。この病院に入院していた50代の女性が死亡。韓国での感染者の死亡は2人目。
オーストラリアの保健当局が「ダイヤモンド・プリンセス」から下船し日本から帰国した78歳の男性と24歳の女性に感染が確認されたと発表。
中国では北京の首都医科大付属復興病院で患者や医療関係者ら計36人が集団感染していることが判明。また刑務所内での集団感染が相次いで発覚。感染者数は全国4カ所で計505人に上った。
中国の感染者は21日、中国本土で7万5465人。うち死者は2236人。
WHOのテドロス事務局長が「国際的な感染拡大を封じ込める可能性は狭まっている」と危機感を示す。アジアや欧州にとどまらず、中東でも感染が広がっている事態を受けての発言。その一方で「(国際的な感染を)防ぎきるチャンスはまだある」と強調し、各国に早急な対応の強化を求める。
国際近代五種連合が京五輪の予選を兼ねる5月25~31日の世界選手権の開催地を中国の福建省アモイからメキシコのカンクンに変更すると発表した。
日本バスケットボール協会が2021年アジア・カップ予選の台湾戦(24日、台湾)が無観客で実施されると発表。
◆2月22日 クルーズ船下船して帰宅した人から初めての感染者
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での新型コロナウイルス感染で、栃木県が検査で陰性となり19日に下船した60代の日本人女性の感染が確認されたと発表。クルーズ船を下船して帰宅した人の感染確認は国内で初。また厚生労働省は下船した別の乗客23人について5日以降の健康観察期間中にウイルス検査をしなかったミスがあったと発表。加藤勝信厚労相が謝罪した。検査漏れのあった23人は日本人19人と外国人4人。下船前に改めて検体を取る際に部屋に不在だったり、検査時期を確認しなかったりしたのが原因。
サッカーJ1の神戸が感染予防策として、本拠地のノエビアスタジアム神戸での試合開催時に、観戦者の歌や肩組みなどの応援行為、旗や鳴り物など応援道具の持ち込みを禁止すると発表。
千葉で千葉市立幕張本郷中の女性教諭の感染が明らかになる。
韓国で新たに229人の感染を確認。計433人に。
WHOの調査団が中国湖北省武漢市に入る。
中国の感染者は22日、中国本土で7万6288人。うち死者は2345人。
米国務省が日本全土への渡航警戒レベルを4段階中で下から2番目の「注意を強化」に1段階引き上げる。「経路不明な感染が広がっている」ことを警戒強化の理由に挙げた。
◆2月23日 イタリアで感染者数が急増
「ダイヤモンド・プリンセス」から医療機関に搬送されていた日本人の80代男性が、肺炎で死亡。同船の死者は3人目。男性には持病があった。
北海道と千葉、愛知両県で新たに計12人の感染を確認。北海道では札幌市の70代男性と、道内の20~80代男女8人の計9人の感染が判明。いずれも日本国籍。千葉県では県内の40代男性会社員が感染。男性は関節痛や筋肉痛を発症した後、新幹線などで広島県や岐阜県に出張していた。ダイヤモンド・プリンセスの乗員55人と乗客2人の感染も判明。国内の感染確認はチャーター機の帰国者を含め計838人となった。
加藤勝信厚生労働相が国内感染の状況について国内発生早期だが、「次のフェーズ」への移行期との認識を示す。
北海道江別市教育委員会が道が22日に新型コロナウイルス感染を確認したと発表した50代のパート従業員の女性について、市内の小学校に勤務する給食配膳員と発表。
サウジアラビアの首都リヤドで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が2日間の日程を終えて閉幕。共同声明では「新型コロナウイルスの最近の流行を含むグローバルなリスク監視を強化する」と明記。こうしたリスクに対処するため「更なる行動をとる用意がある」との考えを示す。
WHOの国際調査団が武漢市に入る。調査団の専門家らは現地の衛生当局者と話し合い、医療機関を視察。
イスラエル政府が過去14日間に日本と韓国に滞在した外国人の入国を24日から拒否すると正式に発表。
イタリア北部ロンバルディア州やベネト州などで22日夜から23日にかけて、新たに78人の新型コロナウイルスの感染を確認。感染者は計132人。コンテ首相は両州の計11自治体を封鎖して、住民約5万人が出入りできないようにすると発表。検問も実施。イタリアでは感染者数が急増し、ここまでに2人の死者。
中国の感染者は23日、中国本土で7万6936人。うち死者は2442人。
英国の情報サイトが中国で新型コロナウイルスによる肺炎の拡大に伴い経済活動が低迷し、二酸化炭素(CO2)の排出量が激減したと分析する報告書掲載。
韓国では新たに169人が感染。感染者は計602人に。死者は3人増加し、計6人。文在寅大統領は感染病の危機警報を4段階で最高の「深刻」に引き上げた。警戒レベルが「深刻」に引き上げられるのは、新型インフルエンザが流行した2009年以来。
中東のバーレーンとクウェート、イラク、オマーン各国とアフガニスタンの保健当局が国内で初めての新型コロナウイルス感染を確認したと発表。いずれも感染が拡大するイランから到着したケース。
イタリアで今月開幕したベネチアのカーニバルが23日に前倒しで終了。
日本バイアスロン連盟が参加選手や大会関係者の健康などを考慮して日本選手権(29日開幕、札幌市西岡競技場)を中止すると発表。
サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)は23日に予定されていたインテル・ミラノvsサンプドリア、アタランタvsサッスオロ、ベローナvsカリャリ、トリノvsパルマの4試合を延期。
◆2月24日 専門家会議が「これから1~2週間が瀬戸際」
日本政府の専門家会議が「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際だ」との見解をまとめる。
北海道、東京都と神奈川、石川、熊本の各県で計11人の感染が新たに確認される。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で事務作業に当たっていた厚生労働省の職員1人と検疫官1人も感染が判明。国内の感染者数は、クルーズ船の乗客乗員を含め計851人となる。厚労省によると、感染した40代の男性職員は、既に感染が確認された別の政府職員と同じ事務作業に従事。50代の男性検疫官は、乗客から質問票を回収する業務などに当たっていた。クルーズ船で感染した政府職員は6人となった。
北海道では江別市の公立学校教員の50代男性ら、20代から70代の男女計4人の感染が判明。神奈川県では50代の男性会社員が感染。東京都では30代から50代の男性会社員3人が感染。石川県でも50代の女性と60代の男性会社員の計2人が感染。女性は医療従事者。熊本市内の50代男性も感染を確認。
北海道が感染が23日に判明した上川地方の70代男性について、愛別町のスクールバス運転手と発表。
JR東日本が相模原市で22日に感染が確認された50代の男性はJR相模原駅で勤務するグループ会社の社員だと明らかにする。
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の常務委員会が3月5日に北京で開幕予定だった第13期全人代第3回会議の延期を正式に決定。中国の重要政治日程である全人代が延期されるのは極めて異例。
中国の感染者は24日、中国本土で7万7150人。うち死者は2592人。
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の常務委員会が野生動物を食べる「悪習」の根絶や違法取引の全面禁止を決める。湖北省武漢市の市場で扱われていた野生動物が、感染源になった可能性が指摘されているため。
北朝鮮の朝鮮中央放送が北朝鮮が外国人380人余りを隔離したほか、海外に出張した人やその接触者、風邪のような症状を示す人たちの隔離や検査を強化していると報道。「新型ウイルスはわが国に入ってきてはいない」とも主張。
イタリアで国内6人目の死者。感染者は計219人。
WHOのテドロス事務局長は新型コロナウイルスについて、イタリアやイラン、韓国などで感染が急増していることに「深い懸念」を示した上で、今後パンデミック(世界的大流行)となる可能性は十分あるとした。
◆2月25日 電通で感染者。26日から在宅勤務に
政府が新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・安倍晋三首相)の会合を首相官邸で開き、さらに感染が拡大する事態に備えた対策の基本方針を決定。「患者クラスター(集団)」からの感染拡大阻止に向け、その地域で広く外出自粛の協力を求めることなどが柱。
外務省が大邱と慶北の一部地域を対象に、感染症危険情報のレベルを不要不急の渡航をやめるよう促す「レベル2」に引き上げる。
茂木敏充外相がイスラエルやサモアなど7カ国が、日本人や日本からの渡航者に入国制限を設けていると明らかにする。
文部科学省が同じ市町村の学校で新型コロナウイルスの感染者が複数確認された場合、感染者がいない学校も含め、市町村単位で休校、学級閉鎖、春休みの前倒しなどの検討を求めるガイドラインを各都道府県教育委員会に出す。
「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客で東京都在住の80代男性が死亡。同船の死者は4人目。北海道と長野、愛知、徳島、熊本の各県で新たに計11人の感染が確認され、国内の感染者数は、クルーズ船の乗客乗員を含め計862人となる。
北海道では札幌市内の60代女性が感染。既に感染が判明している70代主婦の濃厚接触者。他に旭川市などで20代から70代の男女計4人が感染。愛知県では名古屋市内在住の70代女性2人と40代女性1人の計3人の感染が確認される。
長野県では、県内に住む60代男性会社役員が感染。県によると男性は、14日から19日まで北海道や東京都を訪れ、その後発熱。徳島県では「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた女性1人の感染を確認。熊本県でも、熊本市東区の60代女性が感染。女性は既に感染が確認されている20代女性看護師の母親。
広告大手の電通が東京都港区の本社ビルで働く全従業員約5000人を対象に、26日から当面の間、在宅勤務を実施すると発表。同ビルに勤務する50代の男性従業員が新型コロナウイルスへの感染が確認されたことを受けた措置。
富士フイルムホールディングス(HD)が政府の要請を受けて新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の増産を検討していることを明らかにする。
韓国で感染者が新たに144人確認され、計977人に。日本の感染者数861人を上回る。中国以外では最多。新たにモンゴル人の死亡も確認され、死者は計11人に。
中国の感染者は25日、中国本土で7万7658人。うち死者は2663人。
オーストリアでイタリア国境に近いインスブルックで2人の感染が確認される。
山東省威海市が日本と韓国から同市を訪れる全ての人をホテルに14日間隔離する措置を表明。
サッカーJリーグが3月15日までの公式戦全94試合を延期すると発表。新型コロナウイルスの影響で延期が決まったのは国内プロスポーツでは初。
国際卓球連盟(ITTF)が3月22~29日に韓国の釜山で開催予定だった世界選手権団体戦を6月21~28日に暫定的に延期すると発表。