2月27日に突如、安倍首相が全国すべての小中高校などの休校を要請【ニュースで見る新型コロナウイルス】
2月29日、会見する安倍首相(写真:ロイター/アフロ)
◆2月26日 安倍首相が今後2週間のイベントの中止、延期、規模縮小を要請
北海道函館市で新型コロナウイルスによる肺炎で高齢者が死亡していたことが分かる。東京都でも80代男性が死亡し国内の死亡報告は7人に。そのうちの4人は「ダイヤモンド・プリンセス」関係。新たにクルーズ船の14人を含む32人の感染も判明。新たな感染者はクルーズ船の乗客5人、乗員9人のほか愛知県5人、北海道4人、東京都3人、千葉県3人、神奈川県1人、長野県1人、岐阜県1人。うち北海道の1人は死亡した高齢者。国内の感染者数は計894人となった。
大阪府は1月に新型コロナウイルスの感染が確認され1度は退院した大阪市の女性ガイドが喉の痛みなどを訴え、検査で再び陽性となったと発表。
新型コロナウイルス感染が教育現場で広がるのを防ぐため、北海道教育委員会は道内の全ての小中学校約1600校を27日から1週間、一斉に臨時休校とするよう市町村教委などに要請。私立校にも要請。鈴木直道知事は「この1、2週間が非常に大切。保護者の負担などを総合的に判断した」と述べた。
安倍晋三首相が新型コロナウイルス感染症対策本部会合で「多数の方が集まる全国的なスポーツ、文化イベントに関し、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は中止、延期、規模縮小の対応を要請する」と表明。菅義偉官房長官は記者会見で「実際に中止などの対応をするかは、それぞれのイベントの主催者に判断いただく」と述べ、自粛要請に法的根拠はないと説明。
政府は韓国南東部の大邱と慶尚北道清道郡に滞在歴のある外国人の入国を拒否することを決める。入国拒否の措置は、日本への入国申請日より14日以内に滞在歴のある外国人が対象。27日午前0時から実施。入国拒否は新型肺炎が発生した中国湖北省と感染者の多い浙江省に限っていた。
安倍首相のイベント自粛要請を受けてプロ野球オープン戦が3月15日までの残り71試合(他1試合が中止)が無観客で実施。無観客試合はオープン戦、公式戦で初めて。ラグビーのトップリーグは3月8日までの2節16試合を延期。バスケットボール男子のBリーグは3月11日までの1部(B1)と2部(B2)の計99試合を延期。男子テニスの国別対抗戦デビス杯予選は3月6、7日のエクアドル戦を無観客で開催。バレーボールのVリーグは29日の男子1部プレーオフ決勝を無観客に。卓球のTリーグは3月14日のファイナルの延期を決定。
音楽関係では「Perfume」や「EXILE」が26日夜に予定していた公演を中止に。
国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員(カナダ)が感染拡大を受け、7月24日開幕の東京五輪の開催の是非について、5月下旬が判断の期限になるとの考えを示し、東京大会が不可能な場合、延期や他都市開催ではなく、中止となる可能性が高いとの見方も示した。25日にAP通信が報じた。日本政府は「IOCの公式見解ではない」(菅義偉官房長官)と反論した。安倍晋三首相は衆院予算委員会で「IOCや大会組織委、東京都と緊密に連携を取りながら、アスリートや観客に安全、安心な大会になるよう開催に向けた準備を進めていきたい」と強調。橋本聖子五輪相も「安心して開催できるように、IOCから認められるように準備をしていくに尽きる」と語る。東京都の小池百合子知事は報道陣の取材に「IOCの東京大会を担当している方々からは『しっかりやれ』とメールをいただいている」と述べ、中止の議論を否定。
感染者がいなくても必要に応じて学校の臨時休校を検討するよう求める対応方針を文部科学省が示したことに対し、各地の自治体や教育委員会から戸惑いの声があがる。
外務省は感染が拡大するイラン全土の感染症危険情報を不要不急の渡航自粛を求めるレベル2とする。
れいわ新選組の舩後靖彦参院議員が与野党の国会対策委員会に対し、新型コロナウイルス対策のため、休業補償などに関する第2次補正予算案を編成、成立させた上で、与野党が申し合わせて国会を1カ月程度、休会するよう申し入れる。
加藤勝信厚生労働相は衆院予算委員会で、PCR検査について、18~24日間の7日間で計約6300件実施したことを明らかにした。1日平均は約900件で、政府が説明してきた検査能力の1日約3800件を大きく下回る数字。
安倍晋三首相が感染拡大防止のため全国的なイベントの自粛を要請した直後の26日夜、自民党の秋葉賢也首相補佐官が地元の仙台市で政治資金パーティーを開催。
イランではこの日までに19人が死亡。中国に次いで最も多い死者数となる。感染者は少なくとも139人に増える。
中国の感染者は26日、中国本土で7万8064人。うち死者は2715人。
中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園(雲南省)などが公表した論文によると、中国など12カ国で採取された新型コロナウイルスの遺伝子情報を分析した結果、華南海鮮市場で検出されたウイルスは別の地域から流入していたことが分かる。早ければ11月下旬には別の場所で「人から人」感染が始まっていた可能性があると指摘した。ただし「最初の感染者」がどこでどのように生まれたのかは突き止められず。
イタリアで12人目の死者。国内の感染者は374人に達する。イタリアの感染者はロンバルディア、ベネトなど北部州に集中していたが、25日の発表によると、中部トスカーナ州や南部シチリア州など全国に広がった。
ブラジルでサンパウロ在住のイタリア帰りの男性が感染したことが判明。北アフリカのアルジェリアでもイタリア人の感染者を確認。
トランプ米大統領が東京五輪について「成功を願っている」と述べ、開催を支持する考えを示す。
中国の北京市が日本や韓国を名指しはしないものの「疾病状況の深刻な地域」からの入国者に14日間の自宅観察などを求める管理強化策を表明。
日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会(JPBA)が3月に予定されていた国内の試合を中止、延期することを決める。興行のプロモーターから無観客試合での開催の要望があった場合は協議する。
◆2月27日 安倍首相が週明けからの全校休校を要請
安倍晋三首相が対策本部会合で、感染拡大を防止するため全国すべての小中高校や特別支援学校を週明け月曜日の3月2日から休校とするよう要請すると表明。期間は「春休みまで」とした。首相は感染拡大を防ぐため「今後1、2週間が極めて重要」としており、感染症対策のための全校休校という極めて異例の措置に踏み切る。
萩生田光一文部科学相は会合後、日本医師会などの見方として「学校で万が一のことがあると集団感染し、患者クラスター(集団)になる可能性がある」と記者団に説明。「感染拡大を抑える勝負のときだと判断した」と語る。文科省は25日に“必要に応じて臨時休校を検討するよう求める通知”を全国の都道府県教育委員会などに出していたが、各自治体の判断を尊重し「全国一律に休校を要請するものではない」としていた。それが一転、一斉の休校要請となった。
厚生労働省は保育所は一斉臨時休園の対象外とし、共働きやひとり親家庭の小学生を放課後に預かる放課後児童クラブ(学童保育)も原則として引き続き開所とする方針を示し、都道府県や指定都市に通知。
イタリアで感染者が528人に急増。イタリアに滞在した人の感染も周辺国で相次いで確認される。ギリシャ保健省は、イタリア北部から帰国したギリシャ人女性の感染を発表。ギリシャでの感染確認は初めて。
韓国では感染者が計1766人に。死者数も1人増えて13人。米軍と韓国軍は27日、韓国国内での感染拡大を受け、3月初旬に予定された毎春恒例の米韓合同軍事演習を延期すると発表。
中国政府の新型コロナウイルス対策に強い影響力を持つ専門家グループトップの鍾南山氏が「4月末には(中国国内の)感染をほぼ押さえ込める」と述べる。感染者700人以上を出したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への日本政府の対応については「乗客を下船させず隔離したのは失敗だった」と指摘。
中国の感染者は27日、中国本土で7万8497人。うち死者は2744人。
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が7月24日開幕の東京五輪を予定通り実施するため全力で準備する意向を表明。IOC会長がこの問題で公式に発言するのは初めて。
トランプ米大統領から新型コロナウイルス対策の統括役に任命されたペンス副大統領がホワイトハウスに置かれた特別対策チームの強化に着手。トランプ政権が朝鮮戦争時の1950年に成立した「国防生産法」に基づく特別権限を使い、マスクや防護服の国内生産を拡大することを検討し始める。
イタリアで感染者は650人に達し、死者は計17人に。感染者は2日間で倍増。イタリアの感染は北部ロンバルディア州が最も深刻で、感染者は400人を超える。
国際パラリンピック委員会(IPC)が感染拡大の影響で混乱が生じている問題を受け、8月25日開幕の東京パラリンピックについて「大会組織委員会と協力し、予定通り準備を継続していく」との声明を出す。
◆2月28日 北海道の鈴木直道知事が緊急事態を宣言
日本国内では新たに19人の感染を確認。感染者数はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含め計938人となる。クルーズ船に乗船していた東京都の70代女性と英国籍の男性の2人に加え、和歌山県の70代男性の計3人が死亡。国内の死者は計11人となる。
新たな感染者の内訳は北海道12人、神奈川県1人、石川県1人、静岡県1人、愛知県1人、大阪府2人。静岡県での感染確認は初めて。クルーズ船で検体採取を補助した30代の女性検疫官の感染も確認された。北海道では石狩地方の10歳未満の男児が感染。神奈川県は70代女性、石川県は50代男性、愛知県は名古屋市内の60代男性、大阪府は40代女性と未就学女児の2人。静岡県はダイヤモンド・プリンセスの乗客で、静岡市在住の60代の日本人男性。
前日に政府が全国すべての小中高校などに臨時休校を要請したことを受け、文部科学省が各都道府県教育委員会などに対し、一斉休校を正式に要請する通知を出す。
北海道の鈴木直道知事が感染拡大を受け、緊急事態を宣言し、道民に今週末の外出を控えるよう呼びかける。緊急事態宣言の期間は28日から3月19日まで。北海道ではこの日、新たに12人の感染を確認。
東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(共に千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランドは29日から3月15日マで2週間の臨時休園を発表。
シャープが感染拡大を受けた政府の緊急要請に応じ、3月半ばからマスクの生産を始めることを明らかにする。当面は1日当たり15万枚を生産し、同月中にも出荷を開始する。政府は新型肺炎対策の予算で設備投資などを補助する。
マスクの品薄が続く中、経済産業省はインターネットオークションの事業者に対し、3月14日から当分の間、マスクや消毒液のネットオークションへの出品を自粛するよう要請。転売目的での買い占めを防ぐのが狙い。
政府の要請を受け、都教育委員会は都立の高校や特別支援学校など約250校で3月2日から春休みまで臨時休校することを発表。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の危険性評価で、世界全体をこれまでの「高い」から最高レベルの「非常に高い」に引き上げたと発表。世界的な流行を認定した格好となった。
イラクやサウジアラビア、クウェート、モンゴルの4カ国が新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受けた日本人や日本からの渡航者に対する入国制限を新たに設定。日本からの入国制限を取る国は計11カ国に。
女子ゴルフの国内ツアー開幕戦「ダイキン・オーキッド・レディーストーナメント」の主催者と日本女子プロゴルフ協会が感染拡大を受け、同トーナメントを中止すると発表。19日には無観客で開催すると発表していた。
中国の感染者は28日、中国本土で7万8824人。うち死者は2788人。
韓国の感染者は計2337人、死者数は16人。新たな感染者のうち南東部の大邱で確認された人が多く、大邱での感染者だけで計1579人。
イタリアでは死者が21人に。感染者の累計は888人。
WHOによるとイランでは245人が感染、26人が死亡。英BBC放送はイランの複数の病院関係者の話として、全土で少なくとも210人が死亡と報道。イラン保健省の報道官は虚偽だと否定。
日本相撲協会の尾車事業部長(元大関琴風)が感染拡大により開催の可否が検討されている大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)について無観客開催か中止の方向性を示す。
◆2月29日 大阪のライブハウスでの感染者が相次ぐ
安倍首相が記者会見で感染拡大を受け、令和元年度予算の予備費として残っている2700億円以上を活用した第2弾の緊急対策を10日程度で取りまとめる考えを表明。一斉休校に理解を求め、それによって生じる子供の世話で欠勤や収入減を余儀なくされる保護者への支援に関し「新しい助成金制度を創設することで正規・非正規問わずしっかりと手当てしていく」こと、企業が支払う休業手当や賃金の一部を補助する「雇用調整助成金」の制度を1月までさかのぼって適用する考えを示した。
国内で新型コロナウイルスの感染が新たに9人確認され、感染者数は「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含め計947人となる。新たな感染者の内訳は北海道4人、宮城県1人、東京都1人、新潟県1人、愛知県1人、高知県1人。宮城、新潟、高知の各県での確認は初めて。
北海道では、札幌市の20~60代女性会社員3人と苫小牧市在住の90代女性。宮城県の1人はクルーズ船の乗客で仙台市の70代男性。下船時には陰性だった。東京都の1人は20代女性看護師。ウイルスに感染し2月26日に死亡した男性の看護をしていた。新潟県で確認された60代男性は東京都在住で、新潟市の実家に帰省していた。愛知県は名古屋市の70代女性、高知県は高知市在住の30代の女性看護師。
大阪府が感染が確認された高知市の30代女性看護師が2月15日、大阪市都島区のライブハウス「Arc」に行き、感染が既に公表されている男性2人もスタッフとして同じ会場にいたと明らかにした。スタッフの2人は大阪市の40代男性と、札幌市で感染が確認された大阪府の40代男性で、16日も会場にいた。大阪市の男性については40代の妻と未就学児の娘の感染も確認されている。吉村洋文知事は会見で「ライブハウスで感染が広まっている可能性があり、クラスター(集団)になりつつある」とした。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で日用品を買い占める動きがあり、各地の店舗でトイレットペーパーやティッシュペーパー、生理用ナプキンなどが品薄に。インターネット上の「マスクの次に不足」とのデマ情報が原因とされ、関連団体や企業は「在庫は十分。冷静に行動して」と呼び掛ける。
東武タワースカイツリー(東京都墨田区)が感染拡大を受け、東京スカイツリーを3月1日から15日まで臨時休業すると発表。近鉄不動産も「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の58階から最上階の60階にある展望台と、16回の美術館を3日から15日まで臨時休業すると発表。
岩手県医療局が県立二戸病院(二戸市)の40代女性臨時職員が倉庫から備品のマスク計480枚を持ち出し、フリーマーケットアプリで横流ししていたと発表。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う品薄に便乗したとみられる。
吉本興業が3月2日から当面の間、全ての主催公演やイベントを中止、または延期すると発表。
中国の感染者は29日、中国本土で7万9251人。うち死者は2835人。
韓国での感染者は3150人、死者は計17人に。韓国の大邱で、日本人女性が新型コロナウイルスに感染していたことが分かる。日本人の感染が明らかになるのは初めて。
アメリカで西部ワシントン州に住む50代男性が死亡。米国内の患者からは初の死者。海外への渡航歴や感染者との接触は確認されず。
イタリアでは死者が29人に。感染者の累計は1128人。日本の感染者数を上回り、中国と韓国に次ぐ世界で3番目の多さとなる。感染者はミラノがある北部ロンバルディア州が615人で最多。
イランでの感染者は計593人、死者は計43人になった。
サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)が感染拡大を受けて無観客試合を予定していた3月1日のユベントスvsインテル・ミラノなど5試合を5月13日に延期すると発表。