春の選抜の中止に「無観客ならいいんじゃない?」の声しきり【ニュースで見る新型コロナウイルス】
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない日本。今から考えると中国の習近平国家主席の訪日や東京オリンピック・パラリンピックに配慮するあまり、すべての施策が1テンポも2テンポも遅れていたことが分かる。そのせいで国内のスポーツ界にもさまざまな影響が出始めたのがこの時期。今回は3月中旬の新型コロナウイルスに関するニュースを追う。
春の選抜高校野球が中止に(写真:アフロ)
◆3月11日 高野連が春の選抜の中止を発表
日本国内で新たに53人の感染が確認され、感染者はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含め計1329人となる。死者は3人増え計22人に。愛知県は北海道に続いて感染者が100人を超え104人となる。名古屋市で感染が確認された2つのクラスターについて、愛知県の大村秀章知事が感染者数がそれぞれ10日夜の時点で36人と45人に上ると明らかにする。
衆院内閣委員会が新型コロナウイルスの感染拡大に備え「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を可決。
日本高校野球連盟が19日から開催する予定だった「第92回選抜高校野球大会」を中止すると発表。
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が10日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)に載った組織委理事を務める電通元専務の高橋治之氏の「延期」発言に対し「今、方向を変えるとか、計画を変えることは全く考えていない」と語る。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長がツイッターで新型コロナウイルス感染の有無を調べる「PCR検査」の機会を「100万人に無償で提供したい」という内容をつぶやく。なぜかSNS上で批判が殺到し、撤回。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が「パンデミック(世界的な大流行)といえる」と述べる。WHOがパンデミックに相当すると表明したのは2009年に流行した新型インフルエンザ以来11年ぶり。
トランプ米大統領が英国を除く欧州から外国人が米国へ入国することを13日から30日間禁止する渡航制限を実施すると発表。中国、韓国については、状況が改善すれば渡航制限を見直す考えも示唆。首都ワシントンが非常事態を宣言。
米国のオブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が講演で新型コロナウイルスに関する中国政府の初動の対応について「隠蔽活動だった」と断じ、感染が全世界に拡大したのは中国の責任であるとの認識を明らかにする。
米プロバスケットボール(NBA)ジャズの選手がPCR検査で陽性反応。
米俳優で映画監督のトム・ハンクスが自らの声明で検査の結果、陽性だったことを明らかにする。
イタリアのコンテ首相が12日から2週間、薬局や食料品店などを除き、全土でレストランなど各種店舗を全面閉鎖すると表明。
EUでは周辺の非加盟国を含め11日までの感染者が1万8042人、死者は4292人に上った。
中国の武漢市では一部企業の操業再開が認められる。
北京市当局が11日から全ての入国者を対象に、自宅や施設での14日間の隔離措置を求めると発表。
インドが感染拡大防止のため、すべての国や地域を対象に、発給済みの観光ビザと商用ビザを13日から4月15日まで無効にすると発表。事実上、外国人観光客の入国を禁止。
バスケットボールのBリーグが中断していた1部(B1)と2部(B2)のリーグ戦を14日から無観客で再開すると発表。
日本サッカー協会が3月に予定されていたワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選の2試合の延期を正式に発表。
国際スケート連盟(ISU)がフィギュアスケートの世界選手権(18~21日)を中止すると発表。
◆3月12日 新型インフル特措法めぐり立憲民主党の山尾志桜里衆院議員が造反
日本国内で新たに57人の新型コロナウイルス感染が確認される。感染者はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含めて1386人、国内の死者は計26人に。7人の感染が確認された愛知県の30代女性は、4日に「ウイルスをまく」と話して飲食店を訪れていた50代男性と接触していた。
立憲民主党の山尾志桜里衆院議員が新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案の衆院本会議採決で反対。党は賛成方針だったため“造反”となる。
東京都の小池百合子知事がWHOの「パンデミック」表明を受け、東京五輪・パラリンピックに関して「これまでの準備、国民の思いを考えても、中止はまずあり得ない」と話す。
東京都が中小企業の従業員向けに100万円を上限に実質無利子の融資を行う制度の導入などを盛り込んだ緊急対応策を取りまとめる。都主催の屋内での大規模イベントなどを原則、中止か延期とする方針も今月中は継続するとした。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が自身のツイッターで、マスク100万枚を介護施設と開業医に寄付することを明らかにする。調達のために海外の工場への発注も終えたと言っているにもかかわらず「さらに入手困難になる」といった反応も出る。
トランプ米大統領が東京五輪の開催について、「1年間延期したほうがよいかもしれない」との考えを示す。
東京五輪の聖火採火式がギリシャ西部オリンピアの古代遺跡で行われる。
イタリアの感染者が前日より2651人増えて1万5113人に、死者は189人増え1016人に。
ブラジル大統領府のバインガルテン広報担当長官が感染。同氏は3月上旬に米国を訪問した際、トランプ米大統領やペンス副大統領らと記念撮影。
カナダのトルドー首相の妻、ソフィー夫人が検査で陽性判定。トルドー氏自身は症状は出ておらず検査は受けず14日間の自主隔離を行う。ソフィー夫人は英国で講演活動を行っていた。
プロ野球とJリーグが連携し、設けた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第3回会議で感染症の専門家チームが試合開催の目安や選手らチーム関係者、観客に対する感染予防策などを提言。鳴り物の応援、肩組みや飛び跳ねなど集団での動きを伴う応援などに警鐘を鳴らす。
プロ野球の12球団代表者会議が最短で4月10日を開幕日とする案など複数の案を協議。最も遅い開幕は同24日を想定。
サッカーJリーグが公式戦の中断を、3月いっぱいまで延長すると正式に決定。この時点では4月3日に再開する方針だった。
米大リーグ機構(MLB)が26日に予定されていたシーズン開幕戦を少なくとも2週間延期すると発表。北米プロアイスホッケー(NHL)、サッカーの米プロリーグMLS、米プロバスケットボール(NBA)もレギュラーシーズンを中断。
国際テニス連盟が世界各地で4月に開催予定だった「国別対抗戦女子フェド杯」のプレーオフと、ブダペストでの決勝大会延期を発表。
国際自動車連盟(FIA)が自動車F1シリーズの今季第1戦「オーストラリア・グランプリ(GP)」を中止。
米男子ゴルフツアーが「プレーヤーズ選手権」(フロリダ州)を中止。米女子プロゴルフ協会が今季メジャー初戦「ANAインスピレーション」(カリフォルニア州)などツアー3大会を延期。
米ニューヨークの劇場街ブロードウェーが夜からミュージカルや演劇の興行を一斉に中止。
◆3月13日 トランプ米大統領が「国家非常事態」を宣言
新型コロナウイルスの感染拡大に備え「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案が参院本会議で可決、成立。
日本国内で新たに35人の感染が確認され、感染者はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含めて1421人に。死者は28人。佐賀県で初めての感染者。
安倍晋三首相がトランプ米大統領と電話会談を行い、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け日米間で緊密に連携していくことで一致。フランスのマクロン大統領とも電話で会談し、新型コロナウイルス対策で連携していくことを確認。
防衛省が東京・市谷の防衛省統合幕僚監部に勤務する40代の男性幹部自衛官が、新型コロナウイルスに感染していたと発表。自衛隊員の感染が確認されたのは初めて。
愛知県警が、今月4日に感染が判明した後に「ウイルスをまく」と話して外食した愛知県蒲郡市の50代男性に出された飲食店からの被害届を受理。業務妨害容疑で捜査を始める。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP、電子版)が現段階で確認されている新型コロナウイルスの最初の感染者は、湖北省で昨年11月17日に発症したと伝える。中国当局は12月31日に「原因不明のウイルス性肺炎」を27人が発症していると初公表している。
トランプ米大統領が「国家非常事態」を宣言。また、13日夜をもって欧州26カ国からの外国人の入国を30日間停止する措置を発動。
WHOのテドロス事務局長が「欧州が今や、パンデミックの震源地となった」と述べる。
スペインが非常事態を宣言。
日本水泳連盟が4月1日に開幕予定だった東京五輪代表選考会を兼ねる競泳の日本選手権を無観客で開催することを決める。
日本女子プロゴルフの「Tポイント×ENEOS」(20~22日)が中止。
ギリシャ・オリンピック委員会(HOC)が同国で12日に始まった東京五輪の聖火リレーの中止を発表。
ボストン・マラソンが4月20日から9月14日へ延期される。
ロンドン・マラソンが4月26日から10月4日に延期される
男子ゴルフのメジャー初戦「マスターズ・トーナメント」(4月9日開幕)が延期。
国際自動車連盟(FIA)が自動車F1シリーズ第2戦のバーレーンGP(20~22日)と、初開催となる第3戦のベトナムGP(4月3~5日)を延期すると発表。
◆3月14日 新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行
新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行。
安倍晋三首相が記者会見で緊急事態宣言について「現時点で宣言する状況ではない」と述べる。東京五輪・パラリンピックに関しては、13日の日米首脳電話会談では「延期や中止は一切話題になっていない」としたうえで「成功に向けて日米で緊密に連携していくことで一致した」と説明。
日本国内では新たに61人の感染を確認。感染者はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含めて1482人、死者は29人。長崎県では初の感染が確認された。
米政府が欧州26カ国からの入国停止措置の対象国に英国とアイルランドを加えると発表。
米ホワイトハウスがトランプ大統領が検査の結果「陰性」であったことを発表。
検査で陽性反応を示した米プロバスケットボール(NBA)ジャズのルディ・ゴベールが被害者支援のため約50万ドル(約5400万円)を寄付。
韓国の感染者が計8086人に、死者数は計72人となる。増加数は鈍化傾向。
米アップルが中国と香港、台湾を除く全世界のアップルストアを27日まで休業すると発表。
スペインのサンチェス首相がが非常事態宣言に基づく営業禁止を発表。期間は15日間。
バスケットボール男子のBリーグ1部(B1)が無観客試合で再開。
日本サッカー協会が5月23日開幕の「第100回天皇杯全日本選手権」の大会方式変更。J1勢は通常の2回戦からではなく、4回戦から参加する。
スーパーラグビー(SR)が第7節(15日終了)後からリーグを中断すると発表。
◆3月15日 品薄状態が続いているマスクの転売が政令で禁じられる
日本国内で31人の新たな感染を確認。クルーズ船の乗客乗員の感染者も15人増え、累計で1500人を超える。厚生労働省がクラスターが北海道、愛知県、大阪府など10都道府県の15カ所で発生したと明らかにする。
品薄状態が続いているマスクについて、取得価格を超える値段での転売が政令で禁じられる。違反者は摘発対象となり、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科される。規制対象となるのは、家庭用と医療用、産業用のマスク。
米疾病対策センター(CDC)が50人以上が集まるイベントを8週間にわたり中止もしくは延期とするよう勧告。
ニューヨーク市のデブラシオ市長が16日から市内の全ての公立学校を休校にすると発表。レストランやバーも17日から営業を停止とすることを決める。
米スターバックスが米国とカナダの直営店で、店内飲食を一時的に停止し持ち帰りだけで提供すると発表。
フランスが飲食店や映画館、劇場などの集客施設に対する営業禁止措置を実施。前日の14日に突如発表され、週末のパリが大騒ぎとなる。