【インタビュー】しみけんが語る独自の「仕事論」と新型コロナ禍における自分磨き

リモートでのインタビューでも身振り手振りで答える

80点のものしか出せなかったら結果的に自分の評価を下げることになる


 本の中では現在のAV界を取り巻く状況についても言及しています。オリンピック誘致や女優への出演などの強要問題などでAV業界はかなり大変なことになった?
「強要問題に関してはある女優さんが彼氏に“なんでAVに出たんだ?”と言われて“無理やり出演させられた”と言ったところから端を発したことなんです。その女優さんは1000本近くの作品に出演されていたので、最初はみんな“なんてことをするんだ”という感じだったんですが、今ではAV女優の人権を彼女が作った、という見方をされています」

 それは女優さんたちからそう思われているということ?
「女優さんもそうですし、男優やスタッフさんからもですね。最初の頃は大変でしたけど、今となってはすごく平和で分かりやすい世界になったので良かったね、という話です。やりたくないんだったらやらないというシンプルな仕事の在り方になりました」

 オリンピックについてはたばこの喫煙問題など世の中に大きな変化をもたらしました。AV業界にもそういった波があったんですか?
「そうですね。最初に影響を受けたのがナンパ作品だったかと思います。条例でナンパや路上スカウトが禁止するというところから始まったんです。だからオリンピック誘致が始まる前のナンパ作品は逆に言えばガチだったんだ、という話ですよね。あとその条例は東京都だけだったので、地方でやっているナンパロケは結構本物が多いとか。チョコボールの金のエンゼルを当てる方法みたいな感じで、ナンパ作品の内容を見たら本物か偽物かが分かるみたいな憶測も飛んでいましたけどね(笑)」

 男優さんへは当日まで相手が誰でどんな内容かということが知らされないという、女優とはちょっと違った意味での強要問題があるとも書かれています。知らされていたほうが作品のクオリティーが上がるような気もするのですが…。
「なんででしょうね(笑)。いまだに男優の意見は二の次どころか“五の次”くらいですからね。まあ、そこに意見して面倒くさいと思われるよりは、使いやすいと思われたほうが仕事が回ってくると思う人が多かったのかもしれませんね。でも僕はそうではないと思っています。だって内容を聞かされないで行って、自分の苦手なからみだったりして、80点のものしか出せなかったら結果的に自分の評価を下げることになる。そのほうが仕事を減らすことにつながるんじゃないかと思うんです」

「他人と比べたり、自分を否定してしまう人」に勧めたいものとは?


 最近ではテレビや配信番組の出演、講演会やイベント、執筆活動、SNS関係と仕事の種類が多岐にわたっているしみけんなのだが、その一方でやはり“ならでは”の仕事もある。

「陰茎部増大をサポートし男に自信と勇気を与えるローション」という商品コンセプトを持つ「VITERA(バイテラ)リキッドローション」という商品を試してみるというお話が来たとか。まずこの話が来た時、率直にどう思いました?
「めちゃくちゃ面白いと思いました。話を聞いてみたら、病院にこういう悩みを持ってくる人が本当に多いらしくて“それを改善するにはどうしたらいいか”というところから作られたと聞いて、興味の引きが半端じゃなかったです」

 それは小さくて悩んでる人が多いということ?
「それもそうですし、勃起力が弱まっているとかもですね」

 そのへんは年齢とともに仕方のないものなのでは?
「そういうところもあるんですが、“言葉が未来を作っている”というところもあるので、年のせいにすると言葉に引っ張られて元気がなくなっていっちゃうんです。逆に“80歳だけど、すげえ勃起するぞ”と口に出していたほうがいいと思うんです。嘘でもね」

 塗って陰茎部が大きくなる? 実際のところ手応えは?
「使い始めたばかりなので、正直まだ分からないです。でも心の大きさというんですかね。心のゆとりができているというのはすごく大きい。ちんちんは脳みそで引っ張っていくところがあるので、精神的なものに左右されます。なので“僕はバイテラリキッドを使って、頑張っているんだぞ”という自信と、実際に血液を循環させて流してあげるというのは大事なことなので、これはめちゃくちゃいいと思います」

 血流がいいというのはちんちんに限らず、体全体にいいですよね。
「ええ、そうですよね。それに、いざという時だけ血液を流して固くなるかといえば、そんなに都合のいい話なんてないじゃないですか。普段トレーニングをしていないのに、ベンチプレスを100キロいきなり上げられるか、といえば上げられるわけがないですから。それと同じ話。常に血流を良くしてあげないといけない」

 しみけんさんは「エコチンポが売り」とも日ごろ言ってますが大丈夫でしょうか?
「たとえ巨大化したとしても、大きさをコントロールすればいいので大丈夫です。これはトップ男優はみんなやっていることなんですけど、痛がる女の子には硬さの調整とか大きさの調整をしています。集中力の調整で大きさや硬さを調整できるんですね。いくら大きくなるといっても、突然30センチくらいにはならないとは思うんです。1センチ2センチの伸びしろだったら調整でなんとかできるでしょうというところはあります」

 どんな人にお勧めしますか?
「他人と比べたり、自分を否定してしまう人ですね」

 これも仕事論につながりそう。
「結局同じことなんでしょうね。僕のところにも毎日のように悩みが来ますが、みんな他人と比べることから生まれる悩みとか、自分を肯定してあげられていないことによる悩みがほとんどですから。“どうやったら大きくなりますか?”“どうやったらいかせることができますか?”“自信がなくてできません”とか、そういった悩みばっかりなんです」

 しみけんさんは自分を肯定できなかったことはありますか?
「ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)、小学校の時から結構プラス思考だったので自分を否定したことはないんです。なので肯定できなかったことというのも思いつかないです」

 小さいころからプラス思考というのはともかく、社会に出てくじけたこともあると思うのだが、そこでネガティブにならずにポジティブでいられるコツのようなものがあるのですか?
「昔から、悔しければ勉強して補填しようというところがあったんです。小学校の時から塾に行かされていて、全国模試とかをやって間違った問題があれば復習するという癖も付いていたし、挫折したという気持ちがあまりないんですよね。“欠点が見えたからそこを直せばいいや”という性格でしたね」