【インタビュー】映画『小説の神様 君としか描けない物語』で見せる、新しい佐藤大樹!
傷つき、おびえ、それでも小説を書きたい気持ちを捨てきれない多感な一也を演じるうちに、佐藤の中でも、ある変化が起きていた。
「今回、泣くシーンが3~4回ほどあるのですが、実はもともと初めから台本に泣くと書かれていたのは1場面だけなんです。久保監督から、僕がどういう表情をするか見てみたいから思うように演じてみて、と言われて演じていたところ、気づいたら自然と涙があふれていました」
みじめさに打ちひしがれる涙。うれしさと感動に包まれる涙。かつて見せたことのない表情の数々で、多感な主人公を演じ切った。
「実は僕、これまで芝居で泣くシーンを経験したことがなかったんです。元気で明るい役どころが多かったので。だからまさか自分がこんなに泣けるとは思わなかったです(笑)。見せたことのない自分をファンの皆さんに見ていただけるのもうれしいし、僕自身、新たな自分を発見できてうれしいです」
一也と、とある事情から共同執筆を行うことになる、売れっ子高校生作家・小余綾詩凪を演じるのが、世代を代表する女優・橋本環奈。“底辺作家”の一也と違い、詩凪はベストセラーを連発する売れっ子作家。性格もドSで一也とは正反対のキャラクター。
「橋本さんご自身もすごくサバサバしている方なんです。最初のあいさつのときから、おはようございます!って、すごく元気に現場に入ってこられて。おかげで肩ひじ張らず、よい距離感でいられたので一緒に芝居をしていて、とても助けられました」
劇中では橋本が繰り出す強烈なビンタシーンも…。
「当初、台本では平手打ち1回だったんですが、気づいたらノリに乗った監督の指示で往復ビンタをされていました(笑)。橋本さんも、最初はすごく気を使ってくれていたのですが監督が“もっといっちゃって!”と仰るので、だんだん…。モニターで僕らの芝居を見て、監督はすごく喜ばれていました(笑)。思えば『HiGH&LOW』のシーズン1でもアドリブでビンタされたんですよね。なんか、けっこうビンタされるシーンが多い気がします(笑)」
アドリブへの対応力を見込まれているのかも。
「僕は全然、台本通り演じさせていただきたいですが(笑)。でもどの現場でも、まったく台本のままということはあまりないですし、その場でアドリブの指示を頂いたりすると、僕自身、鍛えられているなと感じます。僕自身、人が予想だにしていないことをやるのが好きなので、やっていて楽しいですしね」