【インタビュー】女子プロレスラーだけど、お菓子作りで人気沸騰中!世志琥「若い女性でホールを埋めてみたい」




若い人で後楽園ホールを埋められるとしたら、自分だけ



 普段練習している道場も、6月からやっと再開することができたばかりだという。自粛期間中は、ひたすらお菓子作りと自宅での基礎トレーニングを繰り返していたそう。

「自己評価ですけど、けっこう細かい作業が好きで、熱中すると止まらなくなっちゃうんです。例えば筋トレの動画を撮る時とか、自分がカメラ中央から少しズレているのが気になって、41回も撮り直すことになってしまって(笑)。最後のあたりはもう筋トレそのものがめちゃめちゃしんどかったです。お菓子づくりでも、自分が思ったように可愛くならなかった時は作り直したりします。自粛中はひたすら自主トレ、お菓子作り、自主トレ……を繰り返してましたね。今はやっと道場も開いて、試合も始まっていくので、今後は動画の発信とプロレスの両立をがんばりたいです」

 SNSから新しく自分を知ってくれたファンにも、いつか試合を観に来てほしいと語る彼女に、プロレスラーとしての展望も聞いた。

「SNSを頑張ろうと思ったのも、女子プロレスの業界自体をもっと盛り上げたいし、若い人にもっと認知してほしいという思いがありました。プロレスの聖地といえば後楽園ホールなんですけど、SEAdLINNNGではまだまだ空席も目立つ悔しい状況です。

 でも自分のSNSは、70%以上が若い女性のフォロワーさん。女子プロレスの既存ファンは、10代20代の人って少なくて。若い女性って、プロレスというスポーツのことそのものをほとんど知らない人がほとんどだと思うんです。そういう人たちに、もっとプロレスを楽しんでもらいたい。若い女性でホールを埋めてみたいなあ。それって、私にしかできないことだと思うので。女性ならではの執拗さやプライドがぶつかる瞬間、女子プロレスならではの面白さだと思います。技の派手さだけじゃなくて、女子プロレスはやっぱり気持ちがぶつかるんですよ。”こいつには絶対負けねえ!”って時のあの意地汚さ(笑)。女子ならではだと思うんですよね」

 彼女が完売を夢見ている後楽園ホールでの試合も、7月に控えている。最後に、SNSで彼女を知った人々へのメッセージも。

「パティシエですか?って聞かれるけど、ちゃんと”女子プロレスラーのよしこ”ですって言ってるだろうが!日頃のストレスとか、全部私がぶっ飛ばしてやるからな!」

 SNSの彼女とはまた違う、リングの上での力強い彼女。どちらからも目が離せなそうだ。


(取材と文・ミクニシオリ)
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