「アベノマスクはココが惜しい」「広告代理店は必要か」スペシャリストが“コロナと広告”熱烈トーク
コロナを機に多くのことで課題があぶり出されたと話し、改めて広告やPRの在り方にも迫った3人。企業などとコラボしてショートフィルム作品としての広告映像を制作する企画「ブランデッドショート」を映画祭の中で展開している別所が、広告映像の可能性を問うと、本田氏は「コロナで物理的な距離が変わった今、空間を共有できない時に動画コミュニケーションは活用されていくと思う」と話し、高崎氏も「オフィスという物理的なコミュニティー空間が減っていくと思うが、企業がコミュニティーとして、自分たちがどんなビジョンを持ちどう世の中を変えるために集まっているのかを確認するツールや自社のバイブルとして、積極的にブランデッドムービーを作るのもよいのでは」と提案。
と、そこで別所が「これからの時代、広告代理店って必要ですか?」と直球質問。広告代理店・電通のクリエイティブディレクターである高崎氏は「必要だと思います(笑)。企業が何かを伝えて人が動く、ということを考えた時、そのコミュニケーション機能の専門職として、広告代理店は必要」。本田氏は「代理店の“代理”とは、これまでは企業やお得意さんの代理、という意味合いが強かったと思います。それはそれで必要なことですが、本来は、同じくらい社会の代理でもあるべき。仲人さんのように半分ずつ企業と社会の代理として、ちょうどいい着地点を探る代理機能は必要だと思います」。
最後に、広告や映像にたずさわるクリエイターらからも質問が多数上がった。コロナの影響を受け、広告表現でより気を配っていることは、という質問に高崎氏は「コロナ以前から気を付けていることですが、賛否を避けるのではなく“否”の中に人が傷ついたということがないよう、自分以外のスタッフやクライアントにしっかり見てもらうようにしています。ただ、いまは細かくレイヤーが分かれていて、ある人にとって良いことがある人を傷つける、誰かの正義が誰かを傷つけるということが往々にして起こるので本当に気を付けなければならないと思う」と難しさを明かした。本田氏も「PRとしては賛否が巻き起こって話題になれば成功という考え方も確かにあるが、PRのプロであれば、議論を起こしていろいろな検証をしつつ最終的に“賛”が7~8割に近づけるということをしないといけないと思う」と語り、参加者をうなずかせていた。
オンライントークシリーズ第4回は「海外の映画祭、クリエイター事情」をテーマに、コロナ国際短編映画祭を立ち上げたドイツ人ディレクターをゲストに迎え、7月16日に映画祭公式YouTubeチャンネルにてライブ配信。