大人のコロナの付き合い方【withコロナ】

実はパチンコ屋でクラスターは発生していないという事実


 新型コロナウイルスの感染拡大防止にあたっては現在、「夜の街」が槍玉に上がっている。いわゆる「接待が伴う飲食店」といわれているホストクラブやキャバクラといったところ。

 毎日の感染者数の発表の折には合わせてその内訳も発表されるのだが、6月に入ってからホストクラブで大量の感染者が発生したことから一気に世間の耳目を集めることとなった。

 北海道の小樽市では昼間にカラオケを提供する飲食店「昼カラ」でクラスターが発生し、市が営業自粛を求めたといった動きもある。こちらは「夜の街」ではないが、繁華街というくくりでは共通点はあり、より一層の対策が求められよう。

 クラスターの発生によりこれらの業種をバッシングする動きがあるのだが、それについての良しあしを語るつもりはない。しかし遡ること緊急事態宣言発令前後、不当なまでのバッシングを受けた業界があった。そう、パチンコ業界だ。当時、全国で98%超の店舗が休業したとされる中、一部の店舗が営業を続行。これに大阪府の吉村洋文知事が店名の公表に踏み切るなどしたことから全国的にパチンコに対する大きなバッシングが起こった。

 緊急事態宣言が解除され、徐々に営業を再開したパチンコ店はさまざまな感染防止策を打ち出している。パチンコ店では朝10時の開店の前に台を選ぶ抽選のために店の前に長い行列ができるのだが、間隔を開けるようにアナウンスをしたり、整理券を配布するなどさまざまな工夫をしている。そして店に入る時は非接触型の体温計で検温し、アルコールで手を消毒してからの入店となる。人気の台は1つおきに別の人気のない台を挟むことで、客がずらりと並ぶ“密”な状態を回避する店もある。もっとも多くのパチンコ店は以前から台と台の間には透明なプラスチック製のボードがあることから、もともと飛沫による感染の可能性は低かった。

 客が移動した台はすぐにスタッフが消毒して“消毒済”と書かれたカードなどを置くことで感染の不安を和らげる努力も行われている。それでもハンドルを握ることが気になる人にはゴム手袋も用意されている。景品交換においても自動の機械を導入したセルフカウンターを設置している店舗もある。

 ここでは再開後のさまざまな対策を列挙しているのだが、実は新型コロナウイルスの感染拡大が問題になった時から現在まで、パチンコ屋でクラスターが発生したという事実はない。
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