本田翼が緊急手術「急性虫垂炎」とは?【気になる医療キーワード】
公益社団法人東京都医師会の角田徹先生
「急性虫垂炎」の検査と診断は?
腹部の診察(触診・聴診)を行います。「急性虫垂炎」は一般的によく知られている消化器官の炎症性疾患ですが、圧迫すると典型的な痛みがあります。そのほかに血液検査で、白血球の数や「CRP」という炎症反応の値が上昇しているかどうかを見ます。また全体的に腸の動きが鈍くなるので、下痢をしていて右下腹部痛と発熱がある場合は、どちらかというとウイルス性胃腸炎の疑いが強くなります。
「急性虫垂炎」では、半日〜1日程度で急激な腹痛と発熱が起こります。小児の「急性虫垂炎」の場合、「虫垂」の壁が薄いために虫垂壁に穿孔が生じ、腹腔内に腸の内容物が流れ出てしまうと「腹膜炎」になりやすいです。若い人でも痛みを我慢した結果「腹膜炎」を併発すると、開腹手術をして「虫垂」を切除した後に腹腔内を洗浄してドレーンの挿入・留置を行うこともあります。
「急性虫垂炎」の治療は?
軽症の場合は絶食で腸を安静にして抗生物質を投与します。「腹膜炎」など炎症が周囲に波及している場合は手術となります。
「急性虫垂炎」が疑われたら?
右下腹部痛と発熱があって徐々に悪化してきたら、なるべく早く医療機関を受診してください。軽症の場合は抗生物質の投与で症状が改善することも多いのですが、「腹膜炎」を併発している場合は手術を受けるために10日〜2週間の入院が必要です。