新型コロナ「今こそ法的拘束力のある休業要請を」介護施設の現状も…東京都医師会

一日でも早く家族と肩を寄せ合って楽しく会話できる日々を



 さらに介護分野の取り組みについて平川博之副会長が説明。新型コロナによる総死者数と介護施設における新型コロナ関連死者数の国際比較、国内の介護老人保健施設における感染状況は国際的に見ても極めて低い数値であることを紹介し、その理由を「現場の人間の視点から言うと、普段から施設が感染症対策に頑張って対応している。もうひとつの原因として、迅速に施設側がロックダウンしたこと。1月29日に厚生労働省から新型コロナ発生の通達が出た時点で、多くの施設はすでに面会や行事の制限を行っていた」など、自主的な対策が水際対策になったとの見方を示した。さらに全国で大規模クラスターが発生した施設の事例を検証し、感染者が入院を待機している間の施設内感染や職員が感染したことによる人員不足などの問題を挙げた。

 今後の介護崩壊を防ぐために「お願いしたいのは原則入院対応の徹底。高齢者施設で陽性者が出た際に速やかに専門施設に転院できず、施設内対応を余儀なくした場合はクラスター化する。あとは施設内に感染源を持ち込まないために、新たな入所者には必ずPCR検査を実施してもらう。そして、施設内で感染者が出た場合の専門家チームや応援職員の派遣」などを列挙。最後に平川副会長は「多くの方々は我慢してもいつの日か楽しい日々を取り戻せばいいわけですが、高齢者の方は今会えなかったらもう会えないかもしれない。高齢者が何とか我慢しているわけですから、ぜひ都民や国民の皆さん方にはここで踏ん張って、彼らが家族と肩を寄せ合って楽しく会話できる日々を一日でも早く取り戻すためにもご協力いただきたい」と呼びかけた。