知られざる猟師の日常に密着 映画『僕は猟師になった』千松信也さん
運送会社で働きながら、狩猟期間は山に「くくり罠」という罠を仕掛けてイノシシやシカを獲り、さばいた肉を家族や仲間と食べる。2018年、NHKのドキュメンタリー番組「ノーナレ」が猟師の千松信也さんに密着した「けもの道 京都いのちの森」は大きな反響を呼び、たちまち1141件もの再放送希望が寄せられた。放送後に300日の追加取材を行い、まとめたのが映画『僕は猟師になった』だ。
映画『僕は猟師になった』に出演する千松信也さん
密着取材を受けようと思ったきっかけを、千松さんはこう振り返る。
「狩猟というのは知らない人から誤解を受けやすく、自分自身で文章を書くほうが丁寧に伝えられると思っています。テレビの取材は切り取り方によって僕が伝えたいこととずれが生じる。難しいなと思ってあまり引き受けていませんでしたが、今回は監督の川原愛子さんやスタッフの方が僕の書いた『けもの道の歩き方』という本を読んでくださっていて。僕が山の中で考えていることを映像で表現したいと言ってもらえたので、うっかり引き受けてしまいました」
映画で描かれるのは、広大な山の中で繰り広げられる千松さんと動物との命を賭けた知恵比べ。撮影はどのように行われていたのか。
「川原さんとカメラマンさんと音声さん、多い時で3人が山に同行していました。僕がやっているくくり罠猟は、においなどを残さないように気をつけないとなかなか上手くいきません。警戒されて露骨に獲物の動き方が変わってしまい、途中からはなるべく人数を減らしてもらいました。せいぜい猟期中の何週間かと思っていたら、すごい熱意で密着されてしまってちょっとしんどかった(笑)」
千松さんは自分の食べる分だけ猟をして、現在は食肉の販売や有害駆除は行っていない。
「僕が狩猟に魅力を感じ、続ける理由は動物の仲間になりたい、自然の中で関わりを持ちたいと思っているから。野生動物は肉食、草食、雑食にかかわらず自分の力で食べ物を獲って、どんなに獰猛と言われる動物でも自分や家族、仲間が食べる分以上の生き物は殺しません。僕もその線は超えたくないと思っています」
さばいた獲物を囲んで家族と食事するシーンも印象的だ。
「最近は子どもの食べる量も増えて、解体の手伝いもしてくれるのですごく獲り甲斐がありますね。狩猟を始めた頃のようにずっと山の中で獲物と向き合っているわけにはいきませんが、山と街の境目で狩猟と収入を得るための仕事、それぞれの暮らしを続けています」
「狩猟というのは知らない人から誤解を受けやすく、自分自身で文章を書くほうが丁寧に伝えられると思っています。テレビの取材は切り取り方によって僕が伝えたいこととずれが生じる。難しいなと思ってあまり引き受けていませんでしたが、今回は監督の川原愛子さんやスタッフの方が僕の書いた『けもの道の歩き方』という本を読んでくださっていて。僕が山の中で考えていることを映像で表現したいと言ってもらえたので、うっかり引き受けてしまいました」
映画で描かれるのは、広大な山の中で繰り広げられる千松さんと動物との命を賭けた知恵比べ。撮影はどのように行われていたのか。
「川原さんとカメラマンさんと音声さん、多い時で3人が山に同行していました。僕がやっているくくり罠猟は、においなどを残さないように気をつけないとなかなか上手くいきません。警戒されて露骨に獲物の動き方が変わってしまい、途中からはなるべく人数を減らしてもらいました。せいぜい猟期中の何週間かと思っていたら、すごい熱意で密着されてしまってちょっとしんどかった(笑)」
千松さんは自分の食べる分だけ猟をして、現在は食肉の販売や有害駆除は行っていない。
「僕が狩猟に魅力を感じ、続ける理由は動物の仲間になりたい、自然の中で関わりを持ちたいと思っているから。野生動物は肉食、草食、雑食にかかわらず自分の力で食べ物を獲って、どんなに獰猛と言われる動物でも自分や家族、仲間が食べる分以上の生き物は殺しません。僕もその線は超えたくないと思っています」
さばいた獲物を囲んで家族と食事するシーンも印象的だ。
「最近は子どもの食べる量も増えて、解体の手伝いもしてくれるのですごく獲り甲斐がありますね。狩猟を始めた頃のようにずっと山の中で獲物と向き合っているわけにはいきませんが、山と街の境目で狩猟と収入を得るための仕事、それぞれの暮らしを続けています」