【新事実】ハシビロコウの「ビル」実はメスだった!今月、世界最高齢で大往生

 静岡県伊東市の伊豆シャボテン動物公園は28日、今月6日に老衰で死亡した世界最高齢(推定50歳以上)のハシビロコウ「ビル」の性別がメスであったことを発表した。死後に解剖を行った結果、来日およそ50年目にして新事実が発覚したのだという。

 1981年4月28日に一般財団法人進化生物学研究所より、メスの「シュー」とつがいのオスとして伊豆シャボテン公園(当時)に来園した「ビル」(ちなみに、名前の由来は靴のようなくちばしを意味する英名「Shoebill」から)。その後、同年に「シュー」に先立たれてからも「ビル」は園内の「バードパラダイス」でのんびり暮らしてきた。
約50年目にして正式に性別が確定した「ビル」
 ハシビロコウは、オスのほうがメスよりも平均して大きい以外に外見上の雌雄差はないといい、遺伝子検査で性別の判定を得るためには「ビル」を捕獲・保定して採血や組織の採取を行わなければならないことから、同園では「ビル」の負担や長年にわたり培われてきた人間との信頼関係を崩さないよう捕獲を実施しなかった。39年間にわたり「長老」「ビルじいさん」などと呼ばれて親しまれていた人気者の「ビル」。雑誌などにもオスとして紹介されてきたが、約50年目にして正式に「ビル」の性別が確定したことになる。

 同園の中村智昭園長は、「ビル」について「何があろうとも変わらずに自分のペースで動き、堂々としたその佇まいから、ビルは私たちの心に『何をそんなに急いでいるのだ』と語りかけているかのように感じました」とコメントを寄せている。「動かない鳥」として知られ、生息地アフリカでもその生態は謎に包まれているハシビロコウだが、改めてミステリアスな存在であることが浮き彫りになった。現在、伊豆シャボテン動物公園では「ビル」を偲ぶファンのために園内に献花台を設けている。

>>生前の「ビル」を紹介した雑誌ではウインクする姿も
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