WEAVER河邉徹 長編SF『アルヒのシンギュラリティ』は「心の問題描きたかった」

「心の問題を書きたいというのは昔から考えていた」と語る河邉
 具体的な物語の着想などは、どんなところからヒントを得ていますか?

河邉「心の問題を書きたいというのは昔から考えていて、多くの人が共感を持ってくれるのではないかと思って書き始めました。どんな小説でも自分の知らない世界を描く時には下調べが必要だと思うのですが、今回の物語のようなSFには過去に多くの素晴らしい作品があるので、そうしたものにたくさん触れることも必要でした。昔から読んできたものも含めていろいろなものに影響を受け、いろいろな要素が入っていると思います。自分が過去に感動したすべての経験がこの物語に詰め込まれていますね」

 舞台設定や世界観の構築が印象に残る作品です。架空の都市〈サンクラウド〉の参考にしたものや影響を受けた作品はありますか?

河邉「未来の街の景色は『ドラえもん』とか(笑)。あとはディズニー映画『トゥモローランド』が大好きで、そこに出てくる街の景色がとても美しく、自分もこういう世界を作りたいなと思いました。子役の女の子がすごくかわいくて、サシャのキャラクターにも少し影響を受けているかもしれません。

 実際に自分で街の地図を描いたりもしています。落書きみたいなものですけど、絵で描くことによって作品の世界観に整合性を持たせられるようにはしましたね」

(ミュージシャンで小説家 WEAVER河邉徹が語る「この時代に僕が物語を届ける意味」に続く)

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