新型コロナ今後の対策は?都医師会が会見 GoTo追加、インフルエンザと同時流行も

国立国際医療研究センター制作の院内感染予防ポスターを紹介する角田徹副会長
 その後、角田徹副会長が改めて医療機関の受診方法を「症状がある人はここ1週間の感染機会をメモなどでまとめてかかりつけ医に電話し、診察が必要な場合は指示に従ってマスク着用、手洗いを徹底したうえで受診してください。感染の疑いがあれば唾液によるPCR検査か、地域のPCRセンターを紹介します」とした。8月末の段階で唾液PCR検査に対応できるかかりつけ医は1500カ所を超えており、かかりつけ医がない人や医療相談は新型コロナコールセンターへ連絡、かかりつけ医で診療が困難な場合は別の医療機関を紹介する、といった基本的な流れを提示。都民に対し「医療機関を受診することで感染するのではないか、との不安もあるようですが外来においてクラスターが発生した例はほぼないので、必要な人はしっかり受診してほしい」とメッセージを送った。

 さらに、平川博之副会長は高齢者のフレイル(身体的機能や認知機能の低下)対策について「不用不急や自粛といった言葉が叫ばれたことで、高齢者にどう影響を与えたかが重要になってくる」といい、東京大学高齢社会総合研究機構の調査によると外出の頻度や体感筋量、手足の筋肉、握力などの低下がみられ、人とのつながりや組織参加も減っているなどと報告した。感染が蔓延した地域では介護保険サービスの事業縮小や休止、それ以外にもインフォーマルな社会資源に基づく高齢者サロンや運動・体操教室、認知症カフェなどが縮小した結果、身体機能の低下や不定愁訴の訴え、精神面が不安定になるなどの変化があったという。こうした現状を「2次被害という形で、社会的な弱者である高齢者や障害者に影響が出ている」と訴え、過度の自粛を生まないよう正しい知識を啓発することや工夫しながらの地域活動の再開、新たなコミュニケーションツールの導入やサービス提供体制作り、重症化リスク別の感染予防などの対策を挙げた。

 最後に、尾﨑会長は経路不明の新規感染者数の多くは「実際にはどこかで飲食しているケースでも、周囲に迷惑がかかるからと話をしない場合は、経路不明という扱いになる」とその背景を考察。また、都の「GoToトラベル」キャンペーン追加には「第1段階は車で30分〜1時間程度で行けるエリアや隣県でのマイクロツーリズム、第2段階で具体的な注意点を旅行者・宿泊施設が徹底し、PCR検査を用いるなど方法を工夫したうえで訪れる範囲を広げてはどうか」と提案した。19日以降のイベント開催制限の緩和については「一番心配しているのはイベントそのものよりも、帰りに集まって飲みに行ってしまうこと。当分の間はなるべく素直に行って帰ることがポイント」と付け加えた。

>>次ページは都モニタリング会議のメンバーでもある猪口正孝副会長