新型コロナの長期化で急増も…「うつ病」とはどんな病気?
荷物を下ろして楽になったとたん、本来の自分のダメージを知る「荷下ろしうつ病」も(写真はイメージです)
「うつ病」の検査と診断は?
DSM-5(米国精神医学会が作成した診断基準)もありますが、基本的には精神科的な構造面接が中心となります。これには一定の研修、経験が必要です。先ほども言った通り、質問票で判断できるような単純なものではありません。一般的になぜか精神症状に関しては分かったような気になりがちで、自己判断で放置したり、勝手な治療方法を選んでしまうことがあります。体の症状であれば、そのようなことはせず、まず医師の判断を仰ぐと思うので実に不思議です。「うつ」を呈するこころの病には、うつ病、抑うつ神経症、パーソナリティ障害、発達障害、アルコール依存等とさまざまなものがあります。ですから自己判断せず、精神科の専門医療機関を受診することが大事なのです。
「うつ病」の治療は?
「うつ病」と診断されたら、まず十分に休養を取って心と身体の疲れを取ることが大切です。思い切って仕事や家事や学校を休んで休養に専念してください。それに加え、抗うつ薬を中心とした薬物療法を行います。抗うつ薬は以前とは比較にならないほど改善され、服用しやすくなっています。ただし、効果が現れるまで10日から2週間ほどかかるため、その間、安定剤等を補助的に使用することもあります。睡眠障害に関しては、入眠困難型、途中覚醒型、早朝覚醒型等のタイプに分けて睡眠薬を選択します。また、マイナス思考、悲観的思考になりがち思考癖を修正するための認知行動療法、支持的精神療法といった心理療法も重要です。
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