さようなら、石神井公園団地! 建て替えでセレモニー
石神井公園団地は1967年に竣工した現存するなかで最も古い大型団地のひとつ。総戸数は490と都内最大級の規模だ。団地は、54年の歴史のなかで、たくさんの家族に寄り添い、暮らしを見守り、支え、豊かにしてきた。なかには、父、息子、孫と3つの世代にわたって団地に暮らし続けている人もいるという。
半世紀を超える時間が経過するなかで、建物は老朽化。給水管や排水管の劣化など設備の故障も増えたという。そして、多くの団地と同じように住民の高齢化が進み、エレベーターなしの建物の4階や5階の住人は日々の暮らしのなかでの負担も増している。
そうしたなかで、住民は10年ほど前から建替について話し合いをスタート。説明会を重ねて、2019年4月に90%に近い人の賛同を得て建替を決定した。
「建て替えのために解体が始まることは一抹の寂しさを感じていますが、すばらしい新しいマンションができることを期待している」と、石神井公園団地管理組合の岡崎登理事長。そのうえで、「住民同士が仲良くできなければいい団地とはいえないと思います。出来た早々にお祭りをやるとか集会をやって新しく入ってこられる方と仲良くできるような団地になったら」と、期待を寄せる。
石神井公園団地マンション建て替え組合の黒河内剛理事長は「給水塔は我々の誇り。この下で夏祭りを35回やった。思い出があるが、このように解体し、夢を持って、未来に向けて進んでいきたい」と、話した。