伝説のホストがルポ『夢幻の街』作家にホストクラブの50年を語る
(10月31日、森沢拓也×手塚マキ×石井光太「伝説のホストが語る歌舞伎町ホストクラブ50年史」@本屋B&B)
写真右からホストクラブ「Smappa!Group」会長の手塚マキ、「ROMANCE」会長の森沢拓也、著者の石井光太
“夜の街”歌舞伎町の半世紀にわたる変遷と人間模様とは?
ホストクラブが日本に誕生しておよそ50年。コロナ禍でのエピセンター化も記憶に新しい新宿歌舞伎町のホストクラブの歴史を、関係者への取材をもとにノンフィクション作家の石井光太がまとめた書籍が『夢幻の街』(KADOKAWA)だ。本書に登場した元カリスマホストの森沢拓也と手塚マキを迎え、石井が聞き手を務めるイベント「伝説のホストが語る歌舞伎町ホストクラブ50年史」が本屋B&Bより配信された。
72年生まれの森沢は「くらぶ あいば」を独立して「ロマンス」を立ち上げ、現在のホストクラブのシステムを築いた人物。その後、ホストブームが巻き起こり「スティンガー」No.1から「スマッパ!」をオープンしたのが77年生まれの手塚だ。森沢は「ひと言でいうと奴隷国」という店から独立し、「純粋に売り上げでホストが生活できるようにしたかった」と給与改革に着手。当時のモチベーションは「東京にいたかった。東京で一人で暮らすには可処分所得で40万はないと厳しい。そんな仕事が他にあるのか考えて、仕事だけに集中した」と言い切る。
石井が客層や金銭の出所など「不思議なのは、具体的な話を聞こうとすると分からないと言われること」というと、手塚は「お客様に仕事の話を聞かないのはホストの基本。現実を忘れて刹那的にはしゃぐのが繁華街ですから、自然とそういう話にはならないですね」と夜の街の不文律を挙げた。森沢は「約300軒のホストクラブで流行っている店が10%の30軒として、売り上げを支えているのは30人の女性。それくらいなら確率的にいてもおかしくない」と冷静に分析した。