現代アートの祭典「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」が開幕。社会との橋渡し目指す
9〜11月にかけて開催されたオンライン講座「Paratori LAB」の軌跡をたどるグラフィックレコーディング。多様なバックグラウンドを持つメンバーが意見交換を重ねた。
障害者のアートイベントから、次のフェーズへ
6年間の集大成となる今回は、「社会への橋渡し」を象徴するプログラムが特徴だ。8月のプレオープン時には、横浜市役所の特設スタジオから展示の魅力を紹介するメディア「パラトリテレビ」の配信をはじめ、「食」や「メディア」をテーマにしたオンライン講座をスタート。福祉の観点で語られることの多い障害者イベントを、農業、教育、テックベンチャー、メディアなど、様々なバックグラウンドを持った受講生たちで構成。時には涙ながらに自身の思いや問題意識を共有する受講生もいるなど、対話を通して絆を深めてきた。
6年間の集大成となる今回は、「社会への橋渡し」を象徴するプログラムが特徴だ。8月のプレオープン時には、横浜市役所の特設スタジオから展示の魅力を紹介するメディア「パラトリテレビ」の配信をはじめ、「食」や「メディア」をテーマにしたオンライン講座をスタート。福祉の観点で語られることの多い障害者イベントを、農業、教育、テックベンチャー、メディアなど、様々なバックグラウンドを持った受講生たちで構成。時には涙ながらに自身の思いや問題意識を共有する受講生もいるなど、対話を通して絆を深めてきた。
障害のある表現者と多分野のアーティストによる、読む展覧会「そのうち届くラブレター」。新庁舎の壁一面に作品が並ぶ。
コア会期のメイン展示のひとつ、読む展覧会「そのうち届くラブレター」では、8人と1組のクリエーターたちが写真や映像、書や詩などの方法で、障害のある表現者と多分野のアーティスト6人の作品に応答する。障害者と健常者の組み合わせをあえてごちゃまぜにすることで、障害者のアートイベントという位置付けから、実社会という次のステージへの橋渡しを目指した。「わかりあうことの不可能さと、あきらめないことについての考察」というテーマは、障害をめぐる誤解や偏見、無意識の壁を乗り越えようとする心の持ちようを教えてくれる。これらの作品集は横浜市役所新市庁舎で配布されるほか、特設WEBサイトでは、ロバートキャンベルや篠原ともえが目の見えない人やろう者と作品をナビゲートする動画「おしゃべり対話鑑賞」を展開。情報保障の新たな取り組みを行う。