パラトライアスロン・谷真海「引退も考えた私が、東京2020大会を目指すわけ」<TOKYO 2020 COUNTDOWN>

ブルーカーペットを疾走する谷。トライアスロンの魅力は「応援する人の声や拍手が届く臨場感」と話す。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

パラ出場へのターゲットは、春のアジア大会


 2016年リオ大会から正式競技になったパラトライアスロンは、スイム、バイク、ランを連続して行い、その合計タイムを競う。障害の種類や程度によりクラスが分かれ、谷は上・下肢の切断や機能障害など肢体不自由者の立位クラス(PTS)で、障害の重い順に2~5クラスへと分かれる。谷にとって東京大会出場への鍵は、この障害クラスの枠を越えることだ。

「私はPTS4というクラスなのですが、ルール改正で3と4のクラスがなくなって、障害の軽い5のクラスの人と一緒に競技するんですね。なかなかハードルの高いレースですが、パラリンピック出場に向けて今ボーダーラインなんです。現在ランキング12位で、出場確定の9位までもう少しのところにいます。来年4月に広島で開催されるアジア大会は比較的ポイントの高いレースなので、ターゲットはそこですね。なるべく国内でポイントを重ねて本番につなげて行けたらと思います」

 上位に食い込むための課題は。

「3種目の中では、バイクが35〜40分と1番競技時間が長いので、そのタイムが短縮できれば順位も上がります。私はスイムでは良い位置で上がって、そこがキープできればなんとか争えるのですが、種目と種目の間のトランジション(移行)やバイクで追いつかれてしまうことがあります。ですので、この冬はバイクを中心に体力づくりを強化しています。トランジションでは、ミスなくというのが大事ですね。ヘルメットを被ったままランに行ってしまうとか、スイムが終わった後に息を切らしながらウェットスーツを脱いだりとか、結構気をつけることがあります。パラの選手は義足を履き替えたり、車いすに乗り換えたりと、健常の選手よりやることが多いんですね。こうしたものは本番で感じる試合勘もあるので、試合を想定した練習はやはり必要ですね」