吉田鋼太郎、松永久秀の最期「自分自身の本能の赴くままに」<麒麟がくる>
炎に囲まれての最期。眼光はいつも以上に鋭かった。
「松永としては、信長を見すえながら腹を裂くという思いでした。非常に心残りだったと思います。演じる上では、全編を通じて、何を考えているのか分からないような人物として演じてきたので、最期も飄々(ひょうひょう)と死んでいくという方法もあったのかもしれません。ただ、僕自身どうもしっくりこなかったので、やはり自分自身の本能の赴くままに演じてみたんです。その結果、断末魔の叫びというか、信長に対する咆哮をあげつつ息絶えるという演技になったんです」
さらに吉田は、「ただ『麒麟がくる』での救いは、松永には自分のすべてをさらけ出せる明智光秀という心の友がいたということ。松永の最期の心情の中には、”光秀ありがとう”という思いもどこかに含まれているんだということを、視聴者の方に汲み取っていただけるとうれしいなと思いますね」