【インタビュー】千代田区長選に出馬表明の樋口高顕都議が語るコロナ禍での千代田区の問題
(撮影・蔦野裕)
厳しい状況が続く中小事業者や商店の支援のてこ入れが喫緊の課題
今回の選挙事務所は元飲食店を居抜きで使っているように見えます。コロナによってこういう物件が増えてしまっているんですね。
「ここにあったお店は、昨年6月、閉店したそうです。大家さんのご厚意でお借りできました。千代田区は他の地域からの通勤と通学などを合わせた昼間人口は80万人を超えています。しかし夜間人口は6万7000人です。6万7000人の胃袋と購買力ではこの街は成り立ちません。ですから緊急事態宣言で昼間人口が激減してしまい、お店を閉めざるを得なくなり、物件が空いてしまったのです。政治家は、どうしても有権者としての区民に目が向き勝ちですが、私は、加えて、事業者や事業者あっての賑わいというものが大事だと思っています。賑わいがなくなりますと、最終的には区民サービスに影響してしまうことを実感しています。この事務所にいますと、そういったことを切実に感じます。家族経営や味わいのある飲食店や居酒屋が死に体になっています。飲食店だけでなく、神田の氷を卸している会社や八百屋さんや肉屋さん、印刷事業者なども然りです。これら事業者が厳しくなると大家さんまでもに影響していきます。都政の立場からも支援を行ってきましたが、より身近な区政においても厳しい状況が続く中小事業者や商店の支援のてこ入れが喫緊の課題ですね」
今年に延期になった東京オリンピック・パラリンピックで千代田区内には日本武道館、東京国際フォーラム、皇居外苑と3つの会場があります。オリンピック・パラリンピックについてはどういう考えを?
「夢がなければ未来が開けません。コロナ禍の今、先行きが不透明で閉塞感が社会を覆っているように感じます。こういう時だからこそ、オリンピック・パラリンピックを目指し語り続けることは大事だと思います。その一方で、例えば、世界各国から大勢の選手等が入国することができるのか、その場合の条件は何か、といった現実的で実務的な検討が必要だと思います」
なお、樋口氏は現在38歳で、これまでに出馬を表明している候補者の中で一番若く、当選すると東京都23区内で最も若い区長の誕生となる。