花粉症と新型コロナ、症状の違いは何?コロナ禍での花粉症シーズンで知っておきたいこと
「鼻以外の症状」としては、花粉症では、鼻やのどの不快感から始まり、咳やたん、のどの痛みや声がかすれたりする症状を挙げ、これらが悪化すると、熱っぽさやだるさといった身体全体の不調に進むとした。一方、新型コロナ感染症の場合、典型的な初期症状はなく、37.5℃以上の発熱や、たんを伴わない乾いた咳、頭痛、筋肉痛、嘔吐のない吐き気が比較的多いという。特徴的なのは、味覚や嗅覚の障害。花粉症では鼻づまりに起因した味覚や嗅覚異変を感じることがあるが、新型コロナの場合はウイルスが細胞に影響を及ぼすと考えられているため、鼻づまりがないのにそれらの症状を感じる場合は、感染を疑う目安になるという。
花粉症とウイルスに共通した対策としては、基本的な手洗いやマスクのほか、感染症と花粉症対策のバランス良い「換気」の方法が大切だという。適切な換気や外気の取り込み、空気の入れ替えが重要になる一方で、花粉症では、窓を開けておくことで花粉が室内に侵入しやすくなり、症状を感じやすくなる弊害もある。こうした点を踏まえ、大久保氏はファンなどによる室内の循環換気や、花粉を通さない網戸を利用した換気をおすすめした。また、花粉と新型コロナはどちらも微粒子で乾燥によって余計に広がりやすくなるため、室内では「加湿」を心掛けると良いという。長い時間を過ごすオフィスのデスクや寝室などには加湿器を置くことで症状を和らげることができる。さらには、花粉が最も飛ぶ昼間を避けた時差出勤やテレワークなども、対策としてはプラスになるとした。
国民の約4割が悩まされ、「国民病」とも呼ばれる花粉症。今年は感染症対策とともに、適切な知識や予防策を身につけたい。