金髪のジャズシンガー洋子は、愛し尊敬すべき存在【映画『リ、ライト』】梅宮万紗子


監督とのすり合わせや現場での気遣いでリアルな役作りが実現


「温かくて楽しい現場でした」と梅宮さん。現場ではリラックスしてのぞまれていました。

「とにかくスムーズに撮影が進んだと思います。事前に監督と十分なすり合わせができていたので、方向性も決まっていて後は演じるだけ。これが他の撮影現場だと『いい』『悪い』もよくわからないまま進んでいったりしがちなんで」。

「リアルな演技にこだわる一ノ瀬監督ならではの気遣いも嬉しかった」と梅宮さんは振り返ります。「何より相手役の演技によって、こちらの演技も影響を受けるということを一ノ瀬監督は絶対に無視しないんです。監督さんによっては『そこは役者でうまく整理をつけてくれ』という人もいますから。

 今回、私が強くこだわったシーンがあって、監督にも相手の役者さんにも話し合う時間を取っていただきました。その役者さんも考え抜いて臨んでくださったので、結果、いいシーンになって。最後には『役者同士で言い合おう、言い合うことを良しとしよう』という話もできてました。嬉しかった!」。

弱音を吐かず前へ前へ!金髪の洋子は今でも愛し尊敬すべき存在


 洋子を愛せましたか?という遠藤の問いに「愛した、愛せた!尊敬した!」と即答してくれた梅宮さん。脚本家でもある生みの親の一ノ瀬監督は、さぞかし嬉しいことでしょう。

「周りに助けを求めず、自ら頑張って前へ前へと進んで行く、あのキャラクター。私は周囲に弱音を吐くことで立ち直ったり、バランスをとったりするので、『すごいな』と思います。ストーリーの中で洋子はいろいろな試練に立ち向かいますが、とにかく強いし、いじらしい。まさに愛し尊敬すべき存在です」。

 梅宮万紗子に影響を与えた?という問いには「前をむいてやるぞって気持ちは強く持とうと思いようになりました」と返してくれた梅宮さん。「今回、金髪ベリーショートにしたことで、すごく気持ちが楽になったんです。『誰も今の私を、おしとやかな女とは見ないだろうな』って考えたら『ちゃんとしなきゃって思わなくていいんだ』って」。人目を気にせず自由に生きていく、まさに洋子のような生き方に影響を受けているのかもしれません。「この出演経験を生かして、これからもジャズを聴きたいし、歌を続けたい」と話してくれました。

 まさに、ヒロインとして作品のど真ん中に立っている洋子を、是非観てください!

 さて、次回は引き続き、撮影が終わって絶賛編集中の一ノ瀬監督に、なぜ川越なのか?なぜジャズなのか?根掘り葉掘り聞いていきたいと思います。

梅宮万紗子…女優。キラキラと輝いて見えた芸能界に憧れたのは高校時代から。CMオーディションに受かった大学1年生の終わりに、デビューを果たす。その後、テレビやCM、映画、舞台、最近ではYouTubeのニュース配信番組など、幅広く活躍中。昨年公開された伊藤俊也監督の『日本独立』では、吉田茂の娘、麻生和子という重要な役所としてキャスティングされている。趣味は、マクロヴィオティック料理や茶道など。特技は空手(初段)と英語。『リ、ライト』で披露した曲の英語の歌詞も、見事な発音で歌いあげている。
オーナーのCohさん。 後ろの棚にはスイングジャズのレコードがズラリ!
今回のインタビュー会場は渋谷SWING

 ジャズ喫茶といえば、かかっている音楽はモダンジャズだと思っていませんか?「渋谷swing」は、その名の通りスイング全盛時代のジャズが存分に楽しめるお店。蓄音器も現役なので、SPレコードが掛かっていることもあります。チャージ料をとらないので、コーヒー一杯で読書したり、気の合う仲間とビールで談笑したり。極上サウンドとともに贅沢なひとときが過ごせるお店です。マスターのCohさんは自身もトロンボーン奏者。2021年9月で7周年をむかえる、古くて新しい「渋谷swing」に立ちよってみて!

【住所】東京都渋谷区神山町16-4 Villa Metropolis 4F
渋谷SWING公式サイト

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