橋本聖子新会長が「女性理事40%」「東京モデル」など目標掲げる

記者の質問に耳を傾ける橋本新会長

ミッションは今の社会の空気を変えていくこと


 今回の橋本氏の会長就任の原因となった森前会長の女性蔑視発言については「今回の出来事で組織委は大会を契機としたジェンダー平等の推進にいかに取り組もうとしているか注目していると思う。それについてはスピード感を持って進めて信頼回復に努めていきたい」と語った。


 選手には「コロナ禍の苦境にあって、さらに今日の世論の中でオリンピック・パラリンピックを目指すことすら果たしていいものかと自問自答する日々は苦しい毎日であろうと想像している。私もアスリート出身の立場から、ミッションは参加者にとっても国民の皆さんにとっても安全最優先の大会を実現して、アスリートの皆さんが迷うことなくこの夢の舞台に立てるように、今の社会の空気を変えていくことだと思っている。アスリートファーストの視点を見据えながらミッションを果たしていく。これまでJOC強化本部長の時から“人間力なくして競技力の向上なし”という言葉を伝え続けてきた。選手の皆さんにもこのコロナ禍だからこそ、改めて今の社会にスポーツで何ができるのか、自らの尊い役割を探求して、社会に貢献するスポーツの価値を示してほしい。自信と誇りにあふれる東京大会にするべく、アスリートファーストの視点を忘れることなく、アスリート出身の私として全力を尽くしていきたい」とオリンピアンである立場から選手を慮る場面もあった。


 また「史上初の延期となった大会。長い歴史の中で延期というのは東京が初めて。初めての経験をする組織委員会だからこそ、持続可能なオリンピック・パラリンピックを開催するための“東京モデル”としての組織委員会のレガシーづくりというものを新たなオリンピック・パラリンピックの力になるようにしっかりと提案もさせていただきたいと思っている。必ず、この東京モデルはIOC、IPCの将来の開催指針となって末永くレガシーとなることと確信している。新たな目標を打ち出しながら国民の皆様に歓迎される、東京大会の開催に向けて全力で準備に取り組んでいきたい」と「東京モデル」という目標を掲げた。