北京パラへ本格始動!今季初のアルペン大会が長野で開催

遠征が続く例年のシーズンとは違い、国内の雪上で着実に練習を重ねたという森井。写真は2017年時。(写真・筆者撮影)

コロナ禍での海外遠征


 会見では海外遠征に参加した者、しなかった者、それぞれの決断が語られた。平昌パラリンピック銀メダリストの森井はコロナ禍で海外大会には参加せず、国内で調整を行ってきた。「今年は国内の雪質が良く、菅平の状態も例年にない良い条件で滑ることができました」と手応え。「今大会では海外に行った選手とのレースで、自分がどのくらいの位置にいるのかを見極めたい。来季の本番に向けて調整する機会になれば」と意気込んだ。


 一方、海外大会への参加を決断したのは、2010年バンクーバー、2014年ソチと2大会で金メダルを獲得の狩野だ。狩野は今年1月と2月にスイスとオーストリアで開催されたワールドカップに参加。もっとも力を入れる種目、滑降(ダウンヒル)に出場できる唯一の大会だったためだ。「緊急事態宣言の中で迷いましたが、北京に向けてポイントを獲得して、少しでも先に進めていくことが大切だと思いました」と決断の経緯を説明。


 2週間の自主隔離は「これまで経験がなかったので正直難しかった。最低限のトレーニング器具は使っていましたが、身体は動かなくなっていくのを感じた。シーズンを通して戦うなかで、雪上に上がれないのはかなり難しいと思う」と振り返った。だが、得たものも多かった。「最低限ポイントを得ることができたし、オランダやノルウェーの選手に勝てたということは収穫。海外選手に通用しない部分もあったので、もう一段上がっていかないといけないと再確認できました」と手応えを語った。