男性だけの会議「“なぜだろう”と考える」。駐日大使や若者らがジェンダー意見交換

若者に期待を寄せるパトリシア・フロア駐日EU大使。

 パトリシア・フロア駐日EU大使は「皆さんが担い手であり、次世代のリーダー。固定観念のない社会は家や学校、職場で作ることができます。今日は皆さんの不安や懸念を聞くための機会でもあるので、活発な意見交換を楽しみにしています」と挨拶し、若者に積極的な参加を呼びかけた。


 スウェーデン、ドイツ、メキシコ、マダガスカル、モルドバの5カ国の大使が発言したリレートークでは、「若者・教育・市民社会の役割」、「女性への暴力・セクシャルハラスメント」、「政治における女性」、「女性の雇用」、「男性の役割」の5つをテーマに、日本と欧米諸国との男女格差の違いについても意見が述べられた。


 女性への暴力やセクシャルハラスメントについて発言したイナ・レーペル ドイツ大使は、DVなどの「傷を受けた後の支援は多いが、“予防”にも焦点を当てる必要がある」と、きめ細かな支援のあり方や制度設計の必要性を指摘した。また、政治における女性について意見を述べたツィラヴ・マエリゾ マダガスカル代理大使は、議会の女性比率が高い国である南アフリカやルワンダの例を挙げ、「女性参画は法制化されているが、実践となれば男性がより理解し、行動をとることが大事」と話した。参加した大使の中で唯一の男性参加者だったペールエリック・ヘーグベリ スウェーデン大使は、「会議に男性しか参加しない時は“なぜだろう”と考え、明確な理由がないときには、場を改めるよう提案すること」や、「意思決定の場に必ず女性の意見も踏まえること」などの具体的な提言を行なった。