SDGsの「分かりづらさ」を越えるアイデアとは。MIYAVI「同じ温度で語れる場を」
SDGsをテーマに、各界識者による活発な意見が交わされた「BEYOND 2020 NEXT FORUM 総合セッション—SDGsピースコミュニケーション—」。3月19日に開催されたフォーラムの様子を3回にわたってリポート。
第3部のテーマは「SDGsと未来」。ファシリテーターにジャーナリストの堀潤を迎え、井上信治(国際博覧会担当大臣、内閣府特命担当大臣)、MIYAVI(アーティスト、UNHCR国連難民高等弁務官事務所親善大使)、若林理紗(デロイトトーマツコンサルティング スペシャリスト)、一木広治(BEYOND 2020 NEXT FORUM代表幹事・早稲田大学グローバル科学知融合研究所 副所長)がパネラー登壇した。
SDGsの「分かりづらさ」
セッションではまず、SDGsの現状について議論。2025年にSDGsをテーマに開催される大阪万博担当の井上大臣は、まずSDGsの「わかりにくさ」を挙げた。「SDGsは社会の色々な要素に関わっているが、ふわっとしている。国民の皆さんに理解していただき、応援してもらうことが大事なので、色々な方に協力いただきながら、2030年のその先のSDGsも発信していきたい」と話した。
UNHCR親善大使を務めるMIYAVIもこれに同意。「“持続可能な開発目標”ってなんだろうと思う。1番は“地球に優しい社会を作っていこうよ”ということ。子供たちやSDGsに関心のない人にどのように届けられるのかが大事だと思う」と意見を述べた。海外で過ごす時間も長いMIYAVIだが、「先進国のひとつとして、いま企業をはじめ、日本の意識も変わってきている。ただ、もっと浸透させていくために、語学や対話力などを含めて、世界で何が起きているのかを敏感にキャッチしていく必要があると思う」とグローバルな視点を盛り込んだ。
企業の関わりについても言及された。キャスターからコンサルタントに転職した若林氏は前職で担当していたSDGsがテーマの番組経験を話し、「番組で取り上げましょうと提案した2年前はSDGsの認知度が低かった。今はこうした場で皆さんと議論できたり、街中で“SDGs”という単語を聞くようになったりして、2年間でこんなに変わったのはすごいなと思う。この先は、たとえば企業が、CSRとしてSDGsに取り組んでいくのか、または事業の強みとして取り組んでいくのかなど、異なるアプローチがあるので、どのように関わっていくのかを改めて考える時だと思う」と話した。