SDGsの「分かりづらさ」を越えるアイデアとは。MIYAVI「同じ温度で語れる場を」
「分かりづらさ」の壁を越えて
ディスカッションでは「分かりづらさ」の壁を越えるためのアイデアも話し合われた。井上大臣は子供たちに「“今だけ、ここだけ、自分だけ”。これらをやめましょうという事をお話ししています」と話し、未来志向や地球規模の概念であるSDGsの理念を分かりやすく伝えるキーワードを挙げた。これには「良いですね。歌詞にしたいくらい」とMIYAVI。各国のUNHCR親善大使が集まって行われたオンライン会議でも、様々な人が参画できるインクルーシブな考えについて話し合われたとし、「色々な人が理解できる分かりやすい言葉は大切だと思います」と話した。
難民問題に向き合うMIYAVIは「“難民”という言葉自体が耳を塞ぎたくなるイメージを持たれがち。これには同じ温度で語れる場をもっと増やすことかなと思う。こうしたトピックも話しやすいものとして、僕たち大人も喋る必要がある」と話す。具体的には「たとえば、楽曲の中にそうしたストーリーをのせた曲を入れる。その曲がかっこよければ、耳を傾けてくれる人もきっと多くなる」とMIYAVI。また、日本に住む難民の人についても触れ、「彼らは日本の学生と同じように頑張っている若者たち。そうしたリアリティを持ったやりとりや接点を届けられたら」とアイデアを挙げた。
小学生向けSDGs教育カリキュラムの開発に携わる若林氏は「“多様性”について考えるとき、ある程度自分に余裕がないと寛容になれないのかなと考えさせられる」と話す。いかに余裕が持てる環境を作るかは「“自立”だと思う」とし、「自分をどう自立させるかを考える機会は小さい時からあった方がいい。自分でしっかり考えて、自立できる力を養う教育がこれから必要」と、日本の教育の未来についても意見を述べた。
3月27日には東京・有明のSMALL WORLDS TOKYOを舞台に、世界の子どもたちが集まり、平和で豊かな世界について表現し合う「子ども未来国連」の 1回目が開催された。発起人の一木氏は「日本は世界の中でも安心・安全な国であり、唯一の被爆国。日本だからこそ、社会課題をコミュニケーションで解決することができるのではないか。それを子どものうちからできたら」と、子どもたちが社会課題に参画する意義を話す。「子どもの時に友達同士になれれば、大人になってもコミュニケーションが取れる。それは、人間本来のコミュニケーションの形」と、初開催に期待を寄せた。