世に出るかもしれなかった“幻の”ファミコンゲームに思いを馳せる『ファミコン発売中止ゲーム図鑑』

『ファミコン発売中止ゲーム図鑑』

 昭和レトロブームが叫ばれて久しい昨今、新たな懐かし本が誕生した。本書はゲーム雑誌の新作情報や発売予定リスト、広告などで発表され、その後さまざまな事情から発売されなかった“幻の”ファミコンゲームを紹介するガイドブックだ。

 第1章では雑誌や広告でタイトルやビジュアルが発表されたにもかかわらず、いわゆるお蔵入りとなってしまった発売中止ゲーム151タイトルを特集。第2章では無事に発売されたものの、事前情報と製品版で内容が異なるゲーム167タイトルが網羅されている。「図鑑」の名の通り過去の雑誌や広告を交え、イメージビジュアルやサンプル画面などの資料とともに、世に出なかったタイトルへの考察をまとめている。

 1985〜1994年当時の膨大な資料から発掘された“あるようでなかった”ソフトたちは、よくこんな資料を見つけたものだという驚きと、こんなソフトもあった(かもしれない)というノスタルジーに満ちている。章の後半はファミコンの趨勢にも言及され、コンピュータゲームの歴史書としても興味深い。

『ファミコン発売中止ゲーム図鑑』
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