“アニメオタク”はやがて世界に広まった…「アニメージュとジブリ展」リポート

 今年で創刊43年を迎える雑誌「アニメージュ」の歴史をたどる展覧会『「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった』が、松屋銀座にて開催中。「アニメージュ」の愛読者やスタジオジブリ作品のファンはもちろん、70年代から現代まで、アニメにふれたすべての世代が楽しめる展覧会となっている。



 


ナウシカ、ガンダム、宇宙戦艦ヤマト…伝説的アニメの激レア資料ずらり 


 1978年5月26日に創刊された、日本初の本格的商業アニメ雑誌、月刊「アニメージュ」は、それまで“裏方”として脚光を浴びることのなかった業界の内部、作家や制作に関わる人々をクローズアップし、アニメ制作の現場やクリエイターのインタビューなどを紹介。アニメ雑誌のパイオニアとして、奥深いアニメカルチャーを生んできた。


 会場では『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』、今回初公開となる『風の谷のナウシカ』のセル画や、押井守監督作品『天使のたまご』の作品資料など、貴重な資料を一挙展示。原画やセル画、設定資料など、日本のアニメ史を語るうえで欠かせない作品にまつわるレアな資料の数々を見ることができる、またとない機会だ。宮崎駿や押井守ら、アニメージュが早くからフィーチャーしたクリエイターたち、その仕事を世に紹介し続けた鈴木プロデューサー…ひしひしと伝わる彼らの情熱に、胸が熱くなること請け合い。


 1980年代に確立した“アニメオタク”文化。いつしか“オタク”の輪は広がり“アニメ”は幅広い層を楽しませるように。そして今や“クールな”日本のコンテンツとして、世界にもアニメ愛を広めている。そんな、日本が誇るアニメカルチャー黎明期のドラマを感じることができるはず。



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