時短営業を乗り越えてーーウィズコロナの2021年、ライブハウスとクラブのいま

『BonusTrack』の『大浪漫商店』

 青山月ミルは、下北沢にある複合型飲食施設『BonusTrack』に『大浪漫商店』という飲食店も展開している。


「もともとはレーベルショップを出すために場所を探していたのですが、新型コロナによる社会情勢の変化に合わせて、飲食店としての運営に力を入れることに。自社レーベルが台湾バンドとつながりが深いこともあり、魯肉飯の専門店として営業を行っています。時短営業は続いているため、飲食事業もまだまだこれからという段階ですが、春以降は人入りが増えてくることを期待しています」


 去年はライブハウスとしても時短営業せざるを得なかったり、イベントが行われてもキャパを絞っての開催となったりと、厳しい時期も長かったという。配信機材が揃っていたこともあり、スタジオとして場所貸しを行ったり、別事業の運営に力を入れながら、なんとか乗り切った1年だった。


「いまだ時短営業が続いており、まだまだ現場としても慎重な空気が流れています。その一方で、感染者数が減った2020年の夏頃には、やっぱり音楽は配信より生がいいよねという空気もあった。春以降まだコロナがどうなるのかわからないけれど、感染対策はしっかり行いながら、お客さんの思いに答えていきたい。


 ここまでなんとかやってこれたのは、都から支給される時短営業協力金も大きかった。ただ存続のために貯めるのではなく、音楽の現場に活気が戻るように努めていきたい。私たちのスタンスはコロナ前も現在も変わっていないです。おもしろいモノを作っていきたい、そのために全力を尽くしたい」