〈インタビュー〉若松佑弥「人生、何が起こるか分からない。なので早くチャンピオンになりたい」【4・22 ONE】
30歳までにはチャンピオンにならないと、と思うともう時間がない
若松は以前、「26歳でもう格闘技に費やせる時間は少ない」と言っていた。
26歳というのはまだまだこれからの年齢に思えますが。
「もう終わり…じゃないですけど(笑)。30歳までにはチャンピオンにならないと、と思うともう時間がないですね」
それは自分の激しいファイトスタイルとか、結婚して子供も生まれ、その後の長い人生を考えたりしたうえでのことですか?
「そういうわけではないんですが、いつ何があるか分からないじゃないですか。例えば地震なんかが起きて、試合ができなくなることもあるかもしれない。そういう意味でも焦っています」
では昨年からの新型コロナウイルスによって大会が中止になったり延期になったりというのは、格闘家としても人生においてもかなりショッキングな出来事だった?
「そういう誰も予測できないことが起こっているので、改めて何があるか分からないということは気づかされました」
今まで描いていた青写真みたいなものが覆された?
「まあ、“何が起こるか分からない”というのは前から思っていたことなので、あらためて“ほら、見ろ”みたいな感じでした。“明日なんて分からないんだ”ということは改めて実感した。子供が生まれて、1日でも早くチャンピオンになって、お金を稼いで、立派なかっこいいお父さんになりたいと思うと、1日でも早くチャンピオンになりたいという思いはあります」
子供が生まれて「試合は仕事」と思うようになったとも。それまでは試合はどういう位置づけでした?
「仕事というより、自分の一番の得意分野。本当に決闘だと思っていました。一番強い状態で戦う。殺し合いじゃないですけど、真剣で斬り合うような、ただそれだけ。そして試合までの日々の過程が大事だな、と思っていました」
「決闘」という言葉がすっと出るあたり、尊敬する人に宮本武蔵を挙げるのも納得だ。
「自分なんて単純な人間なので、最近読んだ漫画とかにすぐに影響されるタイプなんです。子供も武蔵から取っている。でも、あまり難しく考えるよりも、それくらい簡易的じゃないと楽しめないと思っています。今26歳で、人生なんてあっという間。その時間を少しでも楽しみたいと思っているので、自分の仕事は妥協のないように一生懸命やらなければと思っています」