福士蒼汰「意外と好きかもしれない」 初めての朗読劇で刺激
初めての朗読劇に向き合うにあたり大切にしているのは「感情」だという。他のタイプの作品においても「感情」は等しく大切だろうが、朗読劇ならではの理由がある。
「登場人物がどういうことを伝えたいのかを大事にしてあげないと、と思っています。本を読んでいると客観性が強くなってきて、(僕は)本を読んでいる人になってしまう。その時のその人の感情をちゃんとうまく伝えないとだめだなと思って意識しています」
小芝と取り組むことで「温かみのあるような感じになるかなと思っています」と福士。「三作品には依存しあったりとか、共感しあったり、共鳴し合ったりするという部分が共通してます。いい意味で、一人では生きていなけないという感じが出るかもしれないです」
福士を筆頭に旬で豪華で深みも感じさせる出演陣はこの作品の魅力。ただそれも、名作と呼ばれる数多くのドラマを手がけてきた坂元による脚本、そして演出であることも注目を集める理由だ。
「この作品に関していうと、描写がとても細かい。一見意味のないような描写も、その積み重ねが意味になってきて、読んでいてハッとするんです。どういう意味があってこれを作っているのかだとか、どういうアプローチをしているのかが、読んでいても分からないんです。実体験が入っているのか、妄想の世界なのか……それがミックスされているんだと思いますが、坂元さんの脳みそを出して解明したいと思うぐらい興味深いです」
出番は目前。
福士は「500人ぐらいの前で本を読む、2人きりで、1時間半も! という状況が、まだ未知の領域です。ただステージに立つことは好きなので、自分が生き生きとしていられるというところを大事にしたいです」と語る。
「朗読劇は、慣れていない人には敬遠するところもあるかもしれないです。実際に僕も坂元さんの本を読むまでそうでした。坂元さんの脚本だからこそのジェットコースターのような感覚があって、登っていってバーンと落とされるような衝撃的なセリフがところどころあります。今まで観たことがない人はドはまりしちゃうんじゃないかと。朗読劇を楽しんでほしいなと思います」
『坂元裕二 朗読劇 2021』の東京公演は、よみうり大手町ホールで25日まで上演中。その後、大阪公演、札幌公演がある。福士は東京と大阪公演に出演する。
(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)
<大阪公演は全公演中止>
大阪公演(4月28日~5月2日 松下IMPホール)は全公演中止。これに伴い、チケットの払戻しを受付する。詳細は、決まり次第、「大阪公演サイト」( https://www.ktv.jp/event/sakamotoroudoku/ )で案内がある。