花キューピット株式会社の「花の人生をまっとうさせる」SDGs<できることから SDGs >

𠮷川登(よしかわ・のぼる) 花キューピット株式会社 代表取締役社長。1965年生まれ。大阪府出身。総合商社やITベンチャー企業を経て2004年、動画などの処理技術を提供するベンチャー企業を起業し、2006年に東証マザーズ上場。2015年に花キューピット株式会社常務取締役、2016年取締役社長に就任し、2019年より現職。

「花の人生をまっとうさせる」

 花は生きている。だから、どんなに綺麗に咲いた花も最終的には枯れて、土に還る。「花を咲かせるわずかな期間に人々を癒したり楽しませたり、花に花の人生をまっとうさせてあげられるようにする、それが花キューピットのSDGsの取り組み」と𠮷川社長。

 コロナ禍で、入学式や卒業式は取りやめになったり、式典や結婚式や葬式といった花が寄り添うイベントも簡素化されて花の需要は大幅に減った。この状況が想定外だった昨年は、花たちは活躍の場を失って「フラワーロス」として報道されることも少なくなかった。𠮷川社長は「過剰に生産していると思わせるような報道の仕方は少し違うと思っている」と強調しつつも、現在、同社が進めている動きにその解決策があるかもしれないと話す。

「これまでは花の使い方、運び方、売り方を考えていたわけですが、これからはその後、枯れてしまった花で何ができるのかも見ていきたいと思っています。上手いことできるか分からないですけど、それもまた花の命をまっとうさせること」

 花キューピットグループは昨年、早稲田大学と組んで、学生たちからビジネスアイデアを募る「ビジネスアイデアピッチコンテスト」を開催した。学生たちは「花キューピット」についてリサーチし、新しい事業アイデアをプレゼン。興味深いビジネスアイデアが寄せられた。その中の多くがSDGsに寄り添うものだった。

「今期~来期に進めたいと思っているもののひとつが、廃棄された花を新しいエネルギーとして活用するというアイデア。もうひとつは、街のお花屋さんにコンポストを設置し、枯れてしまった花を持ってきて入れてもらい肥料にしていくというものです。枯れた花をゴミにしてしまうのではなく、花からまた花を育てるようなサイクルが回せたらと思っています。いずれも、事業として可能かどうかも含めて、アイデアを出してくれた学生さんたちと一緒に考えていきます」

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