小澤雄太、新たな演技で“本物”の俳優へ。伝説の公演『ピサロ』がアンコール上演!

 2020年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第一弾として華々しく開幕する予定だった渡辺謙主演の舞台『ピサロ』。コロナ禍により、初日を延期、45回公演のところ、わずか10回の上演となった。観劇が叶わなかった多くのファンのリクエストに応え、2021年5月、アンコール公演の幕が上がる。本作でスペイン将軍・ピサロの陣営で一攫千金を狙う村人、ヴァスカを演じる小澤雄太が、作品への思いを語った。

小澤雄太(撮影・小黒冴夏)

 1985年PARCO劇場での日本初演以来、「伝説の公演」とも呼ばれる『ピサロ』。出演が決まった時の気持ちは?

「まずは、PARCO劇場さんでまたご一緒できることがうれしかったです。僕は昨年『大地』という作品に出させていただきましたが、自分ではなかなか実績を確認できないというか。俳優は次の作品に呼ばれて初めて結果が出るようなところがあるので、純粋に“良かったな”という気持ちでした。今回の『ピサロ』は昨年の再演ですが、そこに僕が入れたことは奇跡。時代的に今はピンチかもしれないけれど、こうして巡ってきたチャンスをしっかりつかみたいと思います」

 今回のアンコール公演で初の仲間入りをする小澤。すでに仕上がった総勢30名の巨大カンパニーに入るには、緊張感も味わっているという。

「これまでとはまた違う緊張感です。短い期間の中で皆さんから信頼を得て、結束を深めなくてはいけないという思いがあります。他の方々がすでに1段も2段も上のところにいる中で、自分の経験からどんなものが出せるのか、ある意味で勝負です。作品を通して、自分の存在感を高めるのが課題ですね」

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