小澤雄太、新たな演技で“本物”の俳優へ。伝説の公演『ピサロ』がアンコール上演!
小澤雄太(撮影・小黒冴夏)
舞台は16世紀のスペイン。167人の寄せ集めの兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服した成り上がりの将軍・ピサロを中心に、宗教や文化間の衝突を描く。作品の世界観は?
「歴史上の出来事とはいえ、人間の行いや本能が大事にされている作品なのかなと感じています。例えば、歴史でかっこよく伝えられている徳川家康や坂本龍馬にも、人間らしい部分はある。みんな良い人だと思われたいけど、やっぱり汚い部分も持っている。そうやって、人間の怠慢さや情けなさ、意地汚さもきちんと表現したいというのが今回のテーマですね。“英雄はかっこいいだけではない”というのを作品を通して伝えられればと思っています」
小澤演じるヴァスカの役どころは、一攫千金を狙う野心家の村人。役づくりは?
「“英雄になるためにリスクを負って飛び込んでいく”という気持ちを大事にしています。お金って人の気持ちや振る舞いを変えてしまう怖いものでもあります。一攫千金を狙いながら、その中で垣間見える人間らしさ、ヴァスカの抱える不安や葛藤などの二面性を見せられればと思っています」