“奴隷シリーズ”の女優・行平あい佳が体当たりで新境地!「元ロマンポルノ界人気女優の母にも見せたい作品」

行平あい佳(撮影・蔦野裕 ヘアメイク・星野加奈子)

ロマンポルノ界のスターだった母・寺島まゆみに見せても恥ずかしくない作品に

 一見いつも明るく、どんなときでも「大丈夫」とほほ笑むサキ。しかしそれがいっそうスギちゃんを追い詰めてしまう。

「つらいときでも笑顔を見せてしまうからこそ、サキはものすごく苦しくて、一瞬、差し伸べられた救いの手をとってしまったんだろうなと思いました。私もサキを演じながらものすごい圧迫感を感じていたので、サキがユキオくんにすがってしまった気持ちも分かると思いました」

 スギちゃんとの亀裂が決定的となった夜、サキはファミレスの同僚ユキオ(春風亭㐂いち)と一夜を共にしてしまう。押さえつけてきた悲しみや苦しさ、愛されたいという思いを解き放つかのようにユキオを求めるサキを、体当たりで演じた行平。越川監督が行平を通して、女性の性が持つ美しさをスクリーンいっぱいに映し出す。

 ロマンポルノ界のスター女優・寺島まゆみを母に持つ行平。もともと女性のありのままの姿を美しく描く作品が好きだった、と語る。

「母がロマンポルノ作品に出演していたこともあり、そういう作品も好きですし、映画に限らずアニメや漫画でも女性のありのままの美を描く作品にあこがれがあったので、もともと、そういった中でも素晴らしい作品と出会いたいという思いがありました。女優としても、私がロマンポルノから教わったものはとても多く、女性が自分の性を表現することや、そういった作品へのあこがれや尊敬につながっていると思います。ロマンポルノ界の人気女優だった片桐夕子さんや宮下順子さんとお会いする機会もあり、かわいがっていただいていて、今回の作品でも、ロマンポルノに出られている諸先輩方に見てもらっても恥ずかしくない芝居をしようという気持ちがありました」