映画『のさりの島』劇中のエモーショナルなブルースハープを交え渋谷でミニライブ
劇中のブルースハープも担当した小倉が生演奏
その後、谷川の「山本監督と(撮影の)鈴木一博さんに敬意を評して」という紹介とともに、キーボードとブルースハープでイーグルスの「Desperado(ならず者)」を演奏。胸を締めつけられるエモーショナルな音色に聞き入る会場に、谷川は「こんなにかわいらしい人なのに、吹き出すとすごいんです」と小倉を称える。続けてギターを交えてデューク・エリントンの「It Don’t Mean a Thing(スイングしなけりゃ意味がない)」、最後に『のさりの島』のテーマソングを披露した。
演奏前に、谷川は「『のさりの島』の音楽は、これといったメロディーは書いていません。まず、小倉さんの登場シーンとプレイを見て、彼女が即興で吹いている演奏をどう生かすかということから設計が始まった。一馬さんと僕はそんなに共演歴はないんですけど、(小倉の)対局にある美しいエレクトリックギターのトーンが浮かびました」と明かす。
同曲は谷川が提供したモチーフをもとに、映画ではスクリーンを見ながら即興で収録され、同じ演奏は二度とないという貴重なもの。今回のミニライブだけで聞ける特別な演奏に、作品を見たばかりの観客は映画の世界観に浸っていた。
「のさり」とは、天草地方の古い言葉で「天からの授かりもの」という意味。オレオレ詐欺に手を染めながら旅を続ける若い男(藤原季節)と、老女・艶子(原知佐子)の奇妙な共同生活を描く映画『のさりの島』はユーロスペースほか全国順次公開中。
ミニライブでは「Desperado」「It Don’t Mean a Thing」『のさりの島』のテーマの3曲を披露