ボイメン 小林豊が語る「祖母の愛」! 由紀さおりの孫役で「いつもそばにいたいなと思った」
小林豊が撮影現場で見た、由紀さおりの特別さ
祖母・冬子役は、「夜明けのスキャット」でデビューしてから2019年に芸能生活50年を迎えてなお精力的に活動する由紀さおり。
「由紀さんに流れる時間軸というのがあるんです。話し方とか動きとか、そばにいるとそのお声や所作に癒されて、こちらも優しい気持ちになれるんです。控室で生歌を歌ってくださったことがあって、みんなで癒されました。僕も、由紀さんの歌を歌ったんです。スタッフさんが持ってきていたカラオケができるマイクで、由紀さんの曲を由紀さんの前で歌ったところ、なぜか監督が“なんて恐れ多いことを…!”と言って逃げていきました(笑)。後から、大丈夫だったのかと聞かれたので、由紀さんは“楽しそうにやっているわね”と微笑ましい様子で見守っていてくださっていましたよ、と伝えましたけど(笑)」
劇中でも、まるで『ローマの休日』の名場面さながら、蒼太が冬子をバイクに乗せて走る微笑ましいシーンが印象的。
「由紀さんも、あの場面は思い出に残るシーンになったと言ってくださいました。その言葉を言っていただいてから、僕自身もあの場面の僕と由紀さんの姿がなぜか俯瞰で、映画の1シーンとして思い浮かぶんです。僕にとっても印象的なシーンになりました」
撮影中は本当に家族のように感じていた、と小林。
「由紀さんと僕はけっこう一緒にいるシーンも多かったので、サポートというとおこがましいのですが、例えば足場が悪そうなところでエスコートしたりとか、そういう本当にちょっとしたことにも“ありがと”って言ってくださるんです。祖母と孫という役柄もあって、いつもそばにいたいなと思わせられる方でした。由紀さんは、僕だけにじゃなく現場のスタッフ、キャストみんなに同じように接しておられましたね」
由紀さおりと、祖母と孫の絆でつながっていた撮影の日々。そんな小林自身にも、実の祖母との大切な思い出が。
「祖母は僕が幼いころに亡くなってしまったのですが、今でもはっきり覚えている思い出があります。僕が夜中の3時くらいに目が覚めて、昼の3時なのに暗い!と大泣きしたことがあって。明るくなるまで一緒に寝ないでずっとそばにいてくれたことがあったんです。お祖母ちゃんやお祖父ちゃんって、親とは違って一歩引いて見てくれるというか、大きな愛で包み込んでくれる感じがありますよね」
チームの絆を深めてくれたロケ地・岐阜の風景も本作の見どころの1つ。
「ロケでは岐阜を満喫しよう、という話を皆ともしていて、撮影の合間にアユや飛騨牛を食べに行ったり、現場近くのフレンチに行ったり…ごはんばかりですけど(笑)。僕は普段から食べることが好きなので、こういうときは大乗り気なんですが、いつもは興味を示さないことも多い本田も今回は喜んで参加していました。そういう場で、由紀さんをはじめ寺脇康文さんたちとも一緒の時間を過ごせたので、作品作り以外の部分でも知り合うことができてうれしかったです」