川松真一朗 東京都議会議員、新型コロナ対策は「医療体制の充実と経済対策が2本の柱。減税で恩返しも」〈都議選2021〉
7月4日に投開票される東京都議会議員選挙。新型コロナウイルスの流行が長期化し、市民生活や経済が甚大な影響を受ける中で政治の、都民の未来は誰に託すべきなのか。注目の候補者から川松真一朗氏(自民党・現職)に話を聞いた。
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テレビ朝日アナウンサーとして、ニュースやスポーツを担当していた川松議員。2013年に東京都議会議員に初当選し、力を入れてきたのは「皆さんの健康を守る医療政策と教育改革です。また、このコロナ禍において、都民の皆さんには酒類の提供や夜間の外出など、自粛のお願いばかりしてきました。皆さんに恩返しできることは何かと考えた時に、都民税の減税という形で還元していくことをひとつの柱に掲げています」と語る。
今回の都議選で自民党は「減税で経済を再生する」として、個人都民税20%、事業所税50%の減税を公約に盛り込んだ。これに対し「何としても都民税の減税を実現させたいということと、今、コロナ禍によって政治や行政に対する不信や不満が広がっていると思います。改めて政治と行政が都民の皆さんとの距離を縮め、お互いを理解して納得と共感の得られる政治行政を目指したいと考えています」と川松議員。現在の都政の課題は「コロナ禍にあって、行政の構造改革が必要だと思っています。これまで都と区市町村の役割が曖昧で、都知事と区長のお願いの何が違うのかなどが分かりにくかった。東京都は広域自治体として、区市町村は区市町村としてやるべきことの役割を分担し、もっと効果的に行政サービスを行えるシステムに変えていかなければいけません」といい、本来あるべき姿の東京都と区市町村の行政を取り戻していきたいと訴えた。
また、大きな争点でもある新型コロナ対策についてはどうか。
「医療体制の充実と経済対策が2本の柱だと考えます。医療体制は、本来は基本的な対策を繰り返していれば問題なかったはずですが、一年前に未知のウイルスということで皆が翻弄されてしまった影響は大きい。新型コロナウイルスに対し、この一年で得た知見から有効な対策を再設定すべきだと思います。都立病院では感染拡大『第3波』を受けてコロナ専門病院を設置し、『第4波』以降は病床に余裕がある状態です。ひっ迫していないにもかかわらず“なぜ緊急事態宣言が発出されるのか”といったご意見も聞いており、もっと医療体制を充実させていくことが、経済を動かすひとつのきっかけになると思います。
私の地元の墨田区では、昨年に二次救急医療機関2カ所で大きなクラスターが発生しています。それを教訓に保健所の体制や東京都医師会との連携を見直し、65歳未満の一般区民へのワクチン接種券の配布はどこよりも早かった。ワクチン接種券が届くことは、ワクチンがちゃんと行き渡るという安心感にもつながります。難しいことをやっているわけではなく、当たり前のことを当たり前にやることで医療体制を守っていきたいですね。
経済対策に関しては、若い人に都知事や専門家からの説明が届いておらず、緊急事態宣言の再延長中も人の動きが増えています。これでは何のための宣言なのか分からず、飲食店だけでなくそこに連なる事業者はかなり経済的打撃を受けています。合理的かつ科学的な説明で納得と共感を得られる経済対策を進め、全国の消費地として東京の経済を動かすことが日本全体を救うことになります。安全対策を行い、どんどん情報を開示して経済を動かしていくことが私が求める新型コロナ対策です」