「菅さんは本心を見せなかった」菅首相の素顔に迫る映画初日舞台挨拶で古賀茂明氏らが“パンケーキ政権”バッサリ

内山雄人監督

 古賀氏は「一度だけ菅さんとじっくり話したことがある。当時、菅さんは官房長官。堺屋太一さんから突然、菅さんに会うから一緒に来て、維新の会について説明してほしい、と言われた。そのころ、ちょっと間違って橋下徹さんの手伝いをしていたので(笑)。いろいろ話したが、菅さんはほとんどしゃべらない。そうですね、そうですか、ばかりで本心を見せない。それが優しそうなおじさんと映って若者に人気になっていたが全然違う。頑固で攻撃的、改革する自分に酔うナルシストというのが僕の菅さんのイメージ」と話し「最近は攻撃的だけど形の上で謝る姿を見せているが、本当はコロナなんて増えてもいいと思っているんじゃないか。国民はバカだから選挙のころには忘れてるだろう、と」と手厳しく語った。

 さらに古賀氏は「日本は一応、民主主義だから政府批判をしても牢屋に入ることはない。いじめられますけど」と苦笑しつつ「国民がしっかりしていれば安倍政権なんてとっくにつぶれていた。でもあれだけ続いたのは、メディアがちゃんと国民に伝えてなかったから。独立して政府を監視できるマスコミが必要。これが今の日本の問題」と話し、前川氏も「今、政治が教育、特に道徳教育にすごく関わってきている。マスコミもコントロールし、従順な羊のような国民を作ろうとしているのか」と案じた。

 内山監督も「取材は拒否されたが、パンケーキ懇談会の話を、ある記者から聞くことができた。なぜ行くのかと聞くと“行くのは当然。総理の言葉、一挙手一投足を拾いに行くのが全国紙の仕事”と疑いもなく言い切っていた。かといって政権の裏に切り込むでもない。目の前にぶら下がった言葉を取りに行くだけ。ネットで情報があふれている今、これでこの先、新聞が売れるのか」と首を傾げ、河村プロデューサーも「『新聞記者』のときもテレビメディアが扱おうとしなかった。今日もテレビ局が(取材に)来てない。国内メディアが問題提起しない」と危機感をあらわにしつつ「どこかの党を支持するといったことではなく、間違っていることは間違っていると言う姿勢をマスコミには持ってほしい」と訴えた。

 最後に内山監督は「この10年ほど、おかしなことが繰り返され続けている。コロナ以前にも不正腐敗が続いていたことを忘れないでほしい。せめて投票率を少しでも上げるために、とくに若い世代にこの映画を見て、自分の生活と政治は近いと気づいてもらえたら」と締めくくった。

 映画『パンケーキを毒見する』は公開中。

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