一ノ瀬監督の音楽の作り方はいつもユニーク。 ピアノ&ドラムデュオ誕生のきっかけにもなった! 【映画『リ、ライト』】

映像を見ながら即興で曲をつけたのは、一ノ瀬映画が初めて!

 星野源やアン・サリー、柴崎コウ、大橋トリオなど、錚々たるアーティストのサポートを担当しているはじめさんが、おおじさんと再び出会ったのは、前出の『ブラックボトムブラスバンド』を立ち上げたミュージシャンのレコーディングスタジオ。ここで繋がったんですね!「ジャズの中でもクラシックジャズって、いろいろな場面でミュージシャン同士が繋がるんだよね。小さなコミュニティではあるんだけど、『とにかくクラシックジャズが好き』っていう情熱的な人が多いと思う」とはじめさん。二人が出会ってからは、ライブでのセッションを中心に活動していましたが、ピアノ&ドラムデュオのきっかけとなったのは(嬉しいことに!)前作『おわりはじまり』だったそうです。

「2019年の1月ですよね、『おわりはじまり』の劇奏を2人でつくったのは。僕の場合、舞台で演奏することは多いですし、映画の中で自分の音が流れたこともあったんやけど、純粋に映画のために演奏するというのは、一ノ瀬監督作品がはじめてかもしれません」とおおじさん。一方ではじめさんは『めがね』『LEFT ALONE』など、様々な映画音楽も製作されてきたそうです。それでも監督から「映像を見ながら、その場で即興で曲をつけてほしい」と依頼された時は、ビックリしたんじゃないかなあと、遠藤が恐る恐る聞いてみると「初めての経験でしたけど、面白いな!って思いましたよ」と、お二人とも口を揃えて言ってくださいました。優しいなあ!

「現場も楽しみましたし、映画でも音楽を効果的に使ってくれていて、有り難かったです。画面を見ながら感じたまま演奏するって、なかなかないですし、本当に貴重な体験でした。この時の現場で、はじめさんが用意したテーマ曲を二人で演奏したしたのが、ピアノ&ドラムデュオのきっかけやないかと思うんですよ」とおおじさん。その年の夏、はじめさんがツアーで大阪に来た時「せっかくだから大阪でライブしよう!」とスタートさせたのが、ピアノ&ドラムデュオ「はじめとおおじ」となるわけです。