一ノ瀬監督の音楽の作り方はいつもユニーク。 ピアノ&ドラムデュオ誕生のきっかけにもなった! 【映画『リ、ライト』】
演技をして感じたのは、トーンや緩急、間は音楽と共通していること
実は『リ、ライト』では、はじめさんにもおおじさんにも、役者として出演していただいています。はじめさんは、ピアノの調律師役。以前出演されたミュージカルに続いて2回目の台詞入り演技だそうです。「映像見ましたけど、にやけすぎている感じがして、個人的には観てられなかったです(笑)うちのかみさんには『ちょっと演技しすぎてるんじゃない?』って言われました」。おおっと!厳しいですね(笑)。おおじさんも、台詞入り演技は23年ぶりだとか!「いやー、やっぱドキドキでした。何も考えずに『無!』でやりきりました(笑)。でも芝居って、何にでも、誰にでもなれるやないすか。スゴイ世界やと思います」。
そこで、お二人に「演技と音楽と通じるところは?」と聞いてみました。「いい意味で『自分イケてるぜ!』って感覚が常に必要なことですかね。もちろん準備も体調も全部揃った状態で本番に望むべきだけど、時にはうまくいかへんこともある。そんな時は、自分の気概や勢いみたいなものを出すことで乗り切る。そこは、芝居も音楽も一緒かなって思うんです」とおおじさん。そして「プロの俳優さんと演技素人の我々では、台詞の伝わり方やスピード感が違うと思いますが、トーンとか緩急のつけ方、間の捉え方、それから声の出し方なんかも音楽と共通しているなって思いますね」とはじめさん。なるほど!遠藤、妙に納得してしまいました。
プロの世界では少ない、クラシックジャズ中心のライブを開催予定!
さて、前作『おわりはじまり』をきっかけに誕生した、ピアノ&ドラムデュオ「はじめおおじ」。ファッツ・ウォーラーをはじめとしたクラシックジャズ中心の名曲に、とことんこだわっているそうですよ!
「クラシックジャズのプロって実は少ないんです。基本的に日本のミュージックシーンの土台はモダンジャズ。そこで、あえてガチのクラシックジャズにこだわりました」とおおじさん。はじめさんとおおじさんが共有している「すごくいい曲」「好きな曲」が生ライブで聞けるなんて楽しみ!「1920年代、1930年代の曲が中心だし、その時代に生まれ育ったわけやないけど、聞いていて『ええメロディやな』とか『ええ歌詞やな』と思う曲。ほんとに自分がええなと思う音楽を楽しく続けたいし、聞きに来てくれた人たちと、その楽しさを共有したいですね」と笑顔で話してくれました。
一方で、コロナで大きな影響も受けているエンタメ業界は、今もたくさんのミュージシャンが厳しい状況に置かれていますよね。「実は、このコロナで心が豊かになったと思うことがあるんです」とおおじさん。え!それってどういうこと?「お金が入らない状況が続いているけど『それでも音楽をやりたいか!』って自分に問いかけたんです。そしたら『やりたい』って返ってきて。自分の本気が確認できた時に、心は豊かになっていると感じました。不謹慎かもしれないですけどね、こんな時代に」。なんかスゴイですね!ピアノ&ドラムデュオ「はじめおおじ」、是非注目してください。
8月5日(木)
赤坂 G’s bar(港区赤坂2-15-13 三東ビルB1F)
出演:田中邦和(ts)浅葉裕文(g)荒井健太郎(bass)おおじ(ds,vo)
開場 17:00/開演 17:45 ※投げ銭制
問:G’s bar 03-6363-2303
8月7日(土)
溝の口 やきとり寿下夢(神奈川県川崎市高津区溝口1-1-2)
出演:はじめとおおじ
メンバー:小林創(piano)おおじ(ds,vo)
開演 17:00 ※投げ銭制
問:やきとり寿下夢 044-812-0288
8月14日(土)
高円寺 Cafe etc. traghetto(杉並区高円寺北3-22-7 2F)
出演:はじめとおおじとスーマー
開場 18:00/開演 18:30
料金 ¥3,000
問:Cafe etc. traghetto 03-5356-8862
※新型コロナ感染状況を踏まえて開催しますので、中止、変更の場合もあります。
事前に junjilesterleapsin@yahoo.co.jp へご連絡ください。
【お知らせ】ピアノ&ドラムデュオ<はじめとおおじ>のファーストアルバム『Always For Pleasure』好評発売中♬
ドラムとピアノだけという、ジャズ界でも相当珍しい取り合わせですが、二人のライブパフォーマンスは圧倒的で、なにより楽しいんです。その魅力がギュギュッと詰まったファーストアルバム『Always For Pleasure』は、とにかくおすすめ!聞いた人を笑顔にしてくれる1枚です♬ パレードの一風景を描いた、ファンタジーなジャケットにも注目を!
料金は、送料込みで2,700円。ご購入希望の方は氏名・郵便番号・住所・電話番号・希望枚数を明記の上、junjilesterleapsin@yahoo.co.jp へご連絡ください。
早稲田大学在学中より演奏活動開始。全国各地のジャズフェスティバル、ホテルや客船のクルーズにおいても多数演奏。ストライド奏法などを使った古いスタイルのジャズピアノからモダンなピアノまで、どんな奏者ともサウンドする演奏に定評がある。ベルリン国際映画祭で受賞した映画「めがね」のサウンドトラックにてピアノソロを録音。大ヒットとなった星野源『恋』のレコーディングのほか、AKIKO、アン・サリー、バンバンバザール、MITCH、柴崎コウなど、多数のアーティストの音楽に関わり、大橋トリオの全国ホールツアーには毎年参加するなど精力的に活動。一ノ瀬監督前作『おわりはじまり』では、木村おおじとともに即興(『死刑台のエレベーター』方式)で劇伴を収録し、今回の長編音楽映画『リ、ライト』では音楽監督として関わる一方で、俳優として出演している。
音楽アドバイザー 木村おおじ(ジャズドラマー)
日本が誇るジャズバンド、ニューオリンズラスカルズのドラマー木村陽一を父に持ち、その影響でドラムを始める。1993年ニューオリンズスタイルのブラスバンド、ブラックボトムブラスバンド(BBBB)でデビュー。軽音楽バンド、ブルームーンカルテット(BMQ)に参加。2014年の串田和美作・演出「もっと泣いてよフラッパー」(主演:松たか子)を皮切りに、様々な舞台でドラマーとして出演。トラッドジャズからポップスまで幅広く演奏できるドラマーとして、活動の場を広げている。共演ミュージシャンは、東京スカパラダイスオーケストラ、甲本ヒロト、上田正樹、RIP SLYME、トータス松本、忌野清志郎、BEGIN、斎藤和義、m-flo、ハナレグミ、モンゴル800、中島美嘉など多数。今回の長編音楽映画『リ、ライト』ではドラマー役の他、音楽アドバイザーとして広く関わった。