受動喫煙対策の公共喫煙所に新たな選択肢 地方自治体が導入する「喫煙コンテナ/喫煙トレーラー」とは?
「また、渋谷区の渋谷駅モヤイ像横の喫煙コンテナは、ハイキューブと呼ばれる高さのあるコンテナを使用しています。その分、天井の中にエアコンなどを入れることができて、吹き出し口しか見えないようになっています。渋谷区では防犯面からガラスを前面に採用していますが、既成のパネルを使ったプレハブに比べてデザインの自由度が高いんです。『Shibuya Smoking Pod』は建築家の吉村靖孝氏の事務所が手がけていて、デザインとしても洗練されています。
スタンダードなタイプは海上コンテナと同じサイズですが、JIS規格で国内生産したものを使用しています」
これまでに喫煙コンテナ、喫煙レーラーを導入した地方自治体の反響は?
「渋谷区では開設後に担当者が付近を巡回してもにおいを感じず、周囲の施設などからもにおいがしなくなったと好評です。中央区でも限られた面積でバリアフリー対応の喫煙所が設置できて、タバコの煙が漏れなくなったことで近隣住民に喜ばれているといいます。路上喫煙やポイ捨てが減ることで、街の環境美化にも貢献できていると思います」
設置までの期間はどれくらいですか?
「基礎工事には1〜2週間かかりますが、コンテナ自体の設置は1〜2日あれば可能です。内部の設備工事は別日に行いますが、それでも通常の建築物に比べればかなりスピーディーです。渋谷区の例では、歩道上にコンテナを設置するための建築審査会というハードルはありましたが、コンテナ製造から設置まではおよそ3カ月程度で完了しています」
現状の喫煙環境に対し、施工業者として何かメッセージはありますか?
「私自身はタバコは吸わないのですが、タバコを吸いたい人は規制されたとしても吸いたいですし、タバコ自体をなくせば良いのかというとそれも違う。であれば、喫煙できる場所を作ってあげないといけないと思います。
喫煙者が悪いわけではなく、喫煙環境を作れていないことが問題なんですよね。公共喫煙所を閉鎖するなど、喫煙そのものを規制して喫煙者を排除するのではなく、喫煙できる環境を整えて喫煙者と非喫煙者が共存していく手助けができればいいなと考えています」