まさかの王道青春映画!「クレヨンしんちゃん謎メキ!花の天カス学園」【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 8月24日に開幕する舞台『ノーサスペンス・ノーホラー』が絶賛稽古中ななか、12月にプロデュースと「部分演出」、そして出演という形で関わらせていただく三栄町LIVE×大山劇団「STAND BY ME」~転生したらゴスロリ劇団とか社会派闇劇団とか早口アングラ楽団とかだった件~が情報解禁されてました~。

 こんな時にいろいろな作品に関わらせていただいて本当にありがたいです。

 でも取りあえずは8月公演のほう、よろしくお願いします。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 今回の鑑賞記は、子供たちに混ざって、毎年大人気のシリーズ、アニメ映画「クレヨンしんちゃん謎メキ!花の天カス学園」を観てきました。

 国民的アニメといって間違いのないコンテンツの映画化。

 ドラえもんならジャイアンが頼れる兄貴分に、アンパンマンならバイキンマンが味方になる、あの感じのヤツですね。

 しんちゃん映画でいうと「ひろしが活躍する」が、”お約束”のイメージなんですが、今回は子供たちが主役。

 通称「カスカベ防衛隊」の5人が、超エリート学園に体験入学して、巻き起こる謎の事件を”偽2時間ドラマ風”に解決していくという、ぶっちゃけ見始めて30分ぐらいは「置きに行ったな」という印象の導入。

 犯人候補の面白いキャラがいっぱい出てきて、謎解きは”よくあるヤツ”をギャグにして、コモドドラゴン出てきたり、鉄仮面番長出てきたり、学校の設計も「Googleの本社か!」ってぐらい、前衛アートみたいなのが沢山デザインされていて、画面はずっと面白いんですが、ギャグ時空なので「謎解きを楽しめる程の”謎”」もなく、周りの子供たちの反応を楽しんだりしながらフワッと観ていました。

 体験入学中は泊まり込みで家に帰らないから、ひろしが脇役だし!

 ただ、こっからが凄い。謎解きパートもそれなりに楽しめていたんですが、その後、作品の本質が明らかになった瞬間、一気に心を奪われました。

 

 この映画は「青春映画」だったのです!!!

 前半のサスペンスはここへ繋げるための舞台設定と伏線!そう思うと、それを「楽しく、きちんと全部見せる」って凄いことなんですよ。

 素直に「お金のあるところにはいいクリエイターが集まるな!」という部分に感動してしまいました。

 体験入学も、面白キャラたちも、謎解きの間に起こる人間模様も全部

 「5才に、思いっきり青春させる」ための準備!

 しんちゃん映画は”搦め手”が多いイメージだったんですが(まあ、毎回泣かされてますが)

 今回のラストは”超王道”といって過言ではないでしょう。

 
 子供たちも大興奮で、声出して応援してて、本当は俺もそうしたいぐらいだったのに我慢してしまい

「大人になったホロ苦さ」まで味わえる傑作でした。

 きっと誰の心にも”しんちゃん”がいるから、長年愛されるシリーズなんでしょうね。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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